ヤンマーアグリ、中山間地向けコンバインを刷新 安全装置で事故防止に注力

ヤンマーホールディングスは12月4日、ヤンマーアグリ(岡山県岡山市)が、中山間地を含む中小規模農家向けに安全性と作業効率を大幅に向上させた新型コンバイン「YH2A/3A」シリーズを開発し、2026年1月1日より全国で発売すると発表した。

同シリーズは、日本の耕地面積の約4割を占める中山間地域での農業を支援すべく、特に安全対策と操作性の改善に注力。高能率な脱こく性能と、作業者の負荷を軽減する機能が搭載されている。

■新型コンバイン「YH2A/3A」シリーズの主な特徴

同社は、中山間地農業の効率化と安全性の確保を最優先課題と捉え、以下の主要機能により新シリーズを構成したである。
・安全性の大幅な向上:手こぎ安全装置を新搭載
誤操作による事故を未然に防止するため、「手こぎ安全装置」を新たに導入。これは、手こぎレバーを両手で操作することで初めて作動する機構であり、作業中の安全性を飛躍的に高める。
・高能率な脱こく・選別機能の実現
「YH223A」および「YH323A」モデルでは、ロングこぎ胴と送塵口処理胴の組み合わせにより、大量の籾を効率よく脱こくすることが可能である。さらに、均一な選別を実現する「あざやかロータ」を搭載し、高品質な収穫を支援する。
・オペレーターの負担軽減と快適性の向上
一部モデル(YH217A、YH220A、YH320A)には、新たにオーガシュータが装備される。運転席から排出口の向きを容易に調整できるため、コンテナやトラックへの排出作業がスムーズになり、作業効率の向上に貢献する。また、集中注油装置やマルチオープン機構を搭載し、メンテナンス性も向上させている。

■製品情報と販売戦略
・対象: 中山間地などの中小規模農家
・発売日: 2026年1月1日
・希望小売価格(税込): 2,684,000円から5,346,000円
ヤンマーアグリは、この新型シリーズの投入により、中小規模農家の経営効率化と、特に中山間地域における安定的な農業生産体制の維持に貢献していく方針である。

ニュースリリース