・高炉操業の脱炭素化を推進、CO₂排出削減と効率改善を両立
プライメタルズ テクノロジーズ（Primetals Technologies） ：2025年12月4日
ロンドン発、プライメタルズ テクノロジーズは、Steel Authority of India Limited（SAIL）のボカロ製鉄所（Bokaro Steel Plant、ジャールカンド州）における高炉向け水素ガス注入システムのエンジニアリングで同社と提携した。インド政府の炭素削減スキームに基づく資金提供を受け、CO₂排出量の定量的削減を目指すとともに、SAILの環境目標達成を支援する。
■高炉羽口への水素注入技術
本プロジェクトの中心は、高炉羽口への水素ガス注入技術の導入である。従来燃料の一部を水素に置き換えることで、製鉄工程におけるCO₂排出量を直接削減する。水素使用率を段階的に引き上げることで操業調整を円滑に進め、炭素系燃料置換に伴う技術的課題を解消する。これにより、排出削減に加え、高炉の通気性やプロセス効率の改善も期待される。
■大規模製鉄における脱炭素化の実証
ボカロ製鉄所は、廃棄物管理や植林プログラムを含む包括的な持続可能性戦略を展開しており、水素ベース技術の採用はその一環となる。今回の取り組みは、インド国内における大規模製鉄の脱炭素化の現実的可能性を示すベンチマークとなることを目指している。
■グローバルで注目されるガス注入ソリューション
羽口でのガス注入は、世界の鉄鋼メーカーが排出削減を進める中で注目度を高めている。プライメタルズは40年以上にわたりガス注入ソリューションを提供しており、近年はインド国内で試験的水素注入設備やフルスケール合成ガス注入設備を展開している。
■長年のパートナーシップ
プライメタルズとSAILは長年にわたり協力関係を築いてきた。直近の事例には以下が含まれる。
- ボカロ製鉄所熱間圧延ライン仕上圧延機の自動化近代化（2024年末完工）
- IISCO製鉄所（IISCO Steel Plant）向け第4熱風炉の設置（建設中）
- ルールケーラー製鉄所（Rourkela Steel Plant）向け第4熱風炉の設置（建設中）
- ボカロ製鉄所内製鋼工場向け二次排ガス制御設備の設置（建設中）
- ルールケーラー製鉄所における脱炭素化関連技術の緊密な提携に関するMOU締結
■企業概要
プライメタルズ テクノロジーズは、英国ロンドンに本社を置く三菱重工グループ100％出資会社で、従業員数は世界約7,000人。鉄鋼業界におけるエンジニアリング、プラント建設、ライフサイクルサービスを提供し、電機・オートメーション・デジタライゼーション・環境分野を含む総合ソリューションを展開している。
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