独クラース、Farm Management基盤をグローバル統合、365FarmNetを2026年に完全移行

クラース(CLAAS):2025年12月1日

クラースは12月1日、農業用デジタル管理プラットフォーム「365ファームネット(365FarmNet)」の機能を新プラットフォーム「クラース・コネクト(CLAAS connect)」へ統合し、グローバル展開を本格拡大すると発表した。すでに2023年の農業機械国際展「アグリテクニカ(Agritechnica)」で方向性を示していたもので、既存の365FarmNetは2026年11月をもって段階的に終了し、以降はクラース・コネクトがサービスを全面的に引き継ぐ。

■クラース・コネクト、50カ国以上で利用―精密農業・管理・機械連携機能を統合

2024年10月に正式ローンチされたクラース・コネクトは、精密農業、作業記録、フリート管理など365FarmNetで蓄積されたソフトウェア機能を統合し、クラース製機械とのデータ連携に最適化された次世代型Farm Managementプラットフォームとして提供されている。すでに50カ国以上の農業事業者が利用中で、同社によれば「モバイルデータアクセスによる業務最適化と運用データの一元管理が進んでいる」という。

ユーザーから要望が多かった欧州外市場への機能展開にも対応し、特に精密農業分野の高機能化を背景に、国際顧客基盤の拡大を狙う。

■ベルリン開発拠点がクラース全社デジタル戦略の中核に

365FarmNetは2013年にベルリンで創設され、農業管理クラウドの先駆けとして発展。2020年以降はクラース・コネクト開発にも参画し、現在は名称を「クラース 365ファームネット(CLAAS 365FarmNet)」へ統合。ベルリン拠点は今後もディッセン(Dissen)、ヘルツェブロック=クラールホルツ(Herzebrock-Clarholz)と並ぶ同社のソフトウェア開発拠点として機能する。

クラースでデジタルソリューション統括を務めるヴォルフ=クリスティアン・フォン・ヴェンドルフ(Wolf-Christian von Wendorff)氏は次のように述べた。

「ベルリンで蓄積されたソフトウェア開発力は、当社のデジタルエコシステム強化、さらには自律型農業機械の実現に向けた重要資産である。」

ベルリンオフィスには現在100名超のエンジニア、UX設計者、運用・サポート、マーケティングなどが所属し、クラース全体のデジタル化戦略を担う。

■365FarmNetは段階終了へ、ユーザー支援体制も整備

365FarmNetの登録ユーザーは約10万人。クラースは2026年11月まで現行サービス提供を継続し、既存利用者には営業担当が移行支援を実施する。すでに多くのユーザーがクラース・コネクトへ移行しており、アグリテクニカでは数百名が専用カウンターで移行手続き相談を行ったという。

<プロジェクト概要(再掲・コピー対応版)>

項目:プロジェクト名称
内容:365FarmNet → CLAAS connect 統合・移行計画

項目:サービス移行開始
内容:2024年10月

項目:365FarmNet終了時期
内容:2026年11月予定

項目:対応拠点
内容:ベルリン、ディッセン、ヘルツェブロック=クラールホルツ

項目:対応機能
内容:精密農業、フリート管理、作業管理、データ連携、運用最適化

クラースは、「精密農業・AI・自律走行」領域の強化をデジタル戦略の重点としており、今回の統合により農業データ基盤の標準化と製品ラインとの連携強化を加速する。今後は欧州以外の市場拡大や第三者サービス連携によるエコシステム形成も視野に、デジタル農業基盤の国際競争力強化を進める構えだ。

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