日立建機は12月3日、東京都府中市の施工現場において、バッテリー駆動式ショベルとベルエナジー株式会社の移動式給電車を用いた実証試験を実施し、電源インフラが未整備の現場でも安定稼働が可能であることを確認したと発表した。試験は11月10日~14日の5日間実施され、施工スケジュールに基づく最適充電計画の策定と運用検証も行われた。
ベルエナジーは電動車を基盤とした移動式給電車「MESTA Gen」を活用し、建設機械やEVに電力供給するサービス「電気の宅配便」を展開。同車両は自走して充電ステーションへ移動できるほか、工事進捗に応じた柔軟な給電位置の変更が可能となっており、固定型インフラに依存しない給電手段として注目されている。
今回の試験では、バッテリー駆動式ショベル「ZX55U-6EB」と「MESTA Gen」1台を組み合わせて運用。日立建機が稼働予測と施工スケジュールに基づき給電タイミングを計画し、ベルエナジーがその計画に沿って給電車を配車した。給電車は近隣の充電ステーションと施工現場間を往復し、1日複数回の直接給電を実施した結果、外構工事を安定して継続できることが確認された。
同社は今後、施工現場の稼働状況に応じた最適な充電計画を提示するエネルギーマネジメントソリューションの実装を図る。日立建機は「協創パートナーとの実証を重ね、施工現場全体のカーボンニュートラル化を加速する」とコメントしている。
<実証試験の概要>
実証期間:2025年11月10日~14日(5日間)
場所:東京都府中市の施工現場(外構工事・土木工事)
(施工主:大和ハウス工業株式会社、施主:日立建機日本株式会社)
使用機械:バッテリー駆動式ショベル「ZX55U-6EB」
充電手段:EVベースの移動式給電車「MESTA Gen」
実証の内容:充電用電源が未整備の施工現場を想定し、施工現場の運用スケジュールやバッテリー駆動式ショベルの稼働状況の予測、近隣の充電ステーションの状況に基づいて移動式給電車の最適な充電計画の策定・運用を実施。
各社の役割:日立建機 : バッテリー駆動式ショベルの提供、本試験の計画・主導
ベルエナジー : 「MESTA Gen」の提供
なお、同社は2027年4月より社名を「ランドクロス株式会社」、ブランドを「LANDCROS」へ変更する予定としている。