東京ガス、カナダでe-メタン開発を共同推進、2030年度に3万トン製造、日本向け輸出へ

東京ガスは12月2日、カナダのTeralta Hydrogen Solutions Inc.(テラルタ社)と、カナダ・マニトバ州でのe-メタン事業開発に関する合意書を締結した。今後、両社は共同でプロジェクトを推進し、2030年度内の商業運転開始を目指す。

今回のプロジェクトは、同州ブランドンにおいて水力発電を基盤とする副生グリーン水素と工業由来CO₂を活用し、年間約3万トンのe-メタンを製造する計画。全量を日本向けに輸出する想定で、東京ガスが掲げるe-メタン・バイオメタン(RNG)調達戦略の中核案件として位置付けられる。

東京ガスは2030年度に小売ガス供給量の1%、2040年にはその10倍以上をe-メタン等で置換する方針を掲げており、国内外でのネットゼロガス調達体制構築を加速させる。今回の合意は、同社が目指すカーボンニュートラル社会実現とエネルギー安定供給を両立する取り組みの一環。

■各社コメント

テラルタ社 CEO サイモン・ピックアップ (Simon Pickup)氏は、「東京ガスとの共同開発により、競争力のあるe-メタンを市場に供給する道が開かれる。当社のTERAscale技術と既存インフラの活用により、効率的で低炭素なe-メタンを日本へ供給していく」と述べた。

東京ガス 代表執行役副社長 CTO 木本憲太郎 氏は、「副生グリーン水素を活用したe-メタン開発で合意に至ったことは大きな前進。今後もカーボンニュートラルと安定供給の両立を着実に進める」とコメントした。

■プロジェクト概要
場所:カナダ・マニトバ州ブランドン
数量:約30,000トン/年(日本向け輸出)
スケジュール:
・最終投資決定(FID):2026年度~2027年度前半
・運転開始(COD):2030年度内
原材料:水力発電由来の副生グリーン水素、工業由来CO₂

■テラルタ社概要
社名:Teralta Hydrogen Solutions Inc.
代表者:Simon Pickup
設立:2021年
所在地:カナダ・ブリティッシュコロンビア州 バーナビー
事業内容:e-メタンプロジェクト開発

■東京ガス概要
社名:東京ガス株式会社
代表者:笹山 晋一
設立:1885年
所在地:東京都港区海岸1-5-20
事業内容:エネルギー・ソリューション、ネットワーク、海外事業、不動産開発など

本案件により、東京ガスは海外由来の合成メタン調達網を強化し、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けた燃料転換戦略をさらに推進する構え。

ニュースリリース