ファナックは12月1日、塗装用途向けの新型ロボット「P-55/15-21A」を発売した。一般産業から自動車向けまで幅広い塗装工程に対応するミドルサイズモデルで、使いやすさと高い塗装品質を両立した点を特徴としている。量産開始は2026年3月を予定しており、同月開催の国際ロボット展(東京ビッグサイト)で公開する。
■大型部材にも対応、左右対称ライン構成も可能
新機種は可搬重量15kg、リーチは2m超と大型部材にも対応できる性能を備える。また右勝手・左勝手の2仕様を用意し、塗装ラインの左右対称構成に対応可能とした。これによりレイアウト自由度が高まり、作業効率改善につながるとしている。
■新制御装置「R-50iA」を塗装ロボットで初採用
制御装置には新型「R-50iA」を塗装ロボットとして初採用した。防爆仕様に必要な電気回路を整理し、部品の統合・削減により1キャビネット構成へ簡素化。保守負荷を低減するとともに、設置・復旧作業の迅速化を図った。
■軌跡精度向上と教示作業の簡素化
最新ソフトウェアにより軌跡精度が向上し、塗りムラを低減。一定軌跡保持機能により、教示作業を簡単に行えるようになった。また、バッテリレスエンコーダの採用によりバッテリ交換が不要となり、メンテナンス性と環境配慮の両立を実現した。
同社は「P-55/15-21A」が塗装設備の設計柔軟性、運用効率、品質安定性を高める新スタンダードになると見込む。
<仕様一覧(概要)>
可搬重量:15kg
リーチ:2m超
制御装置:R-50iA(新型、防爆対応、1キャビネット構成)
ライン対応:右勝手/左勝手モデル選択可
量産開始:2026年3月
展示:2025年12月 国際ロボット展(東京)
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