・製造現場で進む省人化需要に向け、ファナックは協働ロボット
ファナックは12月1日、「CRXシリーズ」の新ラインアップとして、軽量・可搬型の新モデル「CRX-3iA」を発売すると発表した。質量11kgと片手で運べる設計を特徴とし、設置や移動が容易なことから、溶接現場を中心に自動化の裾野拡大を狙う。同モデルは12月開催の国際ロボット展(IREX)に出展予定で、量産開始は2026年1月を見込む。
近年、製造業では人手不足が深刻化しており、特に熟練工依存の高い溶接工程では若手減少と高齢化により人材確保が課題となっている。従来は固定設置型ロボット導入のハードルが高く、小規模現場や変動する工程では人手作業が残っていた。
また、溶接作業に特化した利便性も備える。溶接直前にワイヤ先端で壁をタッチするだけでロボットが現位置を自己認識し、再設置後も教示修正を必要としない。さらにセンサ搭載により溶接位置を自動検出し、溶接パスの生成まで可能で、ティーチング作業の負担を大幅に削減できる。
用途は溶接にとどまらず、組立、検査など幅広い工程への展開を見込む。ファナックは「作業者1人で複数台のロボットを運用できる現場」が一般化することで、自動化投資の回収期間短縮にもつながるとしている。
量産開始は2026年1月。展示会を通じて市場反応を探り、中小製造業や多品種少量生産現場への普及を加速する構えだ。
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