コマツヨーロッパ、10トン級で最多用途対応のコンパクトホイールローダーを開発

・500時間の実証試験で性能を徹底検証

コマツヨーロッパ(Komatsu Europe:欧州コマツ):2025年11月18日

ベルギー・ビルフォールデ発 ―― 建設機械大手のコマツは、10トン級クラスで市場最高水準の汎用性を実現したコンパクトホイールローダーの開発に成功した。複数のローダーリンケージオプションを搭載し、多様な作業現場への対応を可能にした。

ドイツ・ハノーバーのコマツドイツ(Komatsu Germany GmbH)で開発・製造された新型機「WA170M-11」は、2種類のローダーリンケージを選択可能とした点が最大の特徴だ。従来の標準Z型リンケージに加え、大型機で実績のある「ツールリンケージ」機構をこのクラスでは初めて採用した。

5倍の時間をかけた実証試験
同社は量産開始前の品質確保のため、試験プログラムを大幅に強化。通常100時間の標準試験を500時間に延長し、実用性能の徹底検証を行った。
コマツヨーロッパ(Komatsu Europe)のヘンリック・フォン・ヴェルダー(Henrik von Werder)プロダクトマネージャーは「WA170M-11にツールリンケージ機構を提供することで、既存のアタッチメントとの柔軟な組み合わせが可能となり、幅広い作業への対応が実現した。これは顧客にとって大きな付加価値となる」と説明する。

現場との協働開発で実用性を追求
拡大試験プログラムは、複数の顧客企業との協力のもとで実施された。ドイツの有機廃棄物処理施設コンポストヴェルク・ヘレフェルダー・ヘーエ社(Kompostwerk Hellefelder Höhe GmbH)もテストに参加し、オペレーターが様々な地形・環境下で実機を使用しながらフィードバックを提供した。
同社のホイールローダーオペレーター、トルステン・シュミット(Thorsten Schmidt)氏は「WA170M-11の試験に関われたことは非常に有意義だった。コマツとの協働により、機械は最適化以上のものになった。安定性が高く、キャビンは広々として全方位の視界が優れている。操作性はスムーズで直感的、一日中快適かつ効率的に作業できる」と評価している。

コマツヨーロッパのミヒャエル・ワドサック(Michael Wadsack)上級プロダクトマネージャーは「実際の作業現場で機械を試験することは、当社の厳格な品質基準を満たすために不可欠だ。このアプローチにより、顧客が信頼できる信頼性と性能を製品に確実に持たせることができる」と語った。

2025年4月発表、既に多数受注
2025年4月のバウマ展での市場投入以来、WA170M-11は顧客から圧倒的に好意的な反応を得ており、既に多数の注文を受けている。最終試験が完了した現在、コマツは顧客への初号機納入を待ち望んでいる。

この革新的なコンパクトホイールローダーは、96kW(約131馬力)のステージV適合ディーゼルエンジンを搭載し、多様な用途・環境において高い性能を発揮する。

■ コマツ(Komatsu)について

コマツは、建設機械、フォークリフト、鉱山機械、産業機械、林業機械の分野における世界有数のメーカー・サプライヤー。1世紀以上にわたり、世界中の企業がコマツの機器とサービスを活用してインフラ開発、鉱物資源採掘、森林維持、技術・消費財製造を行ってきた。グローバルなサービス・販売網により顧客業務を支援し、データと技術の力を活用して安全性と生産性を向上させながら性能を最適化している。

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