・国営電力・水道公社(ONEE)が計画するアル・ワフダ発電所向け
・中国能源建設とのコンソーシアムによりEPC契約を締結、2027年の運転開始を目指す
・ガスタービン発電容量の合計は99万kW、同国送電容量の約7%に相当
三菱重工業は2月12日、モロッコ国営の電力・水道公社(ONEE:Office National de l’Electricité et de l’Eau Potable)が建設を計画するアル・ワフダ(Al Wahda)発電所向けに、M701JAC形ガスタービン2台を受注したと発表した。中国のエンジニアリング会社China Energy Engineering Corporation Limited(中国能源建設股份有限公司)とのコンソーシアムにより、ONEEとの間でEPC(設計・調達・建設)契約を締結したもので、同国向けにJAC形を受注したのは今回が初めて。運転開始は2027年を予定している。
同発電所は、モロッコ北部のウェザーン(Ouazzane)州に位置して同国最大規模を誇るアル・ワフダ・ダムの近くに建設される。急速起動が可能なシンプルサイクルのガスタービンで構成され、需要の変動に応じた電力の供給が可能。ガスタービン設備2台の発電容量は99万kWで、同国における送電容量の約7%に相当し、信頼性の高い電力を供給する。
モロッコ政府は、電力需要が拡大する中で発電に占める再生可能エネルギーの比率を高めていく目標を掲げており、再生可能エネルギーとの共存を可能にする環境負荷の低い発電設備の導入が必要とされている。高効率・高信頼性かつ高い起動・負荷変化特性を有し、水素混焼能力も備えた三菱重工の最新鋭JAC形ガスタービンは、同国の長期的なエネルギー戦略と持続可能性に関わる目標の実現を支援するもの。
三菱重工は、同プロジェクト向けにガスタービン2台および関連機器を供給するとともに、ONEEと長期保守契約(LTSA)も締結した。商業運転開始後は、LTSAに基づき、発電所の安定的な営業運転をサポートする。発電機は三菱ジェネレーター製を採用する。
三菱重工グループは、高効率で信頼性の高いガスタービン発電設備の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの脱炭素化を促進することで地球環境の保全に貢献していく。
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