ファナック、24年4~11月期売上は1.9%減の5,850億円、通期予想は0.4%減の7,919億円に上方修正

 ファナックが1月27日に発表した2025年3月期第3四半期連結累計期間(2024年4〜11月)連結業績によると、売上高5,850億14百万円(前年同期比1.9%減)、経常利益1,394億85百万円(同3.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,027億84百万円(同4.5%増)となった。

 第3四半期連結累計期間におけるファナックグループを取り巻く状況については、景気が緩やかに回復して設備投資にも持ち直しの動きがみられる一方で、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念など、不透明な状況が続いた。このような厳しい状況が続く中、ファナックでは業績への影響を最小限にとどめるべく、セールス、研究開発、工場、サービス、事務、全ての部門の総力を挙げて拡販や経費削減等に取り組んだ。なお、2022年度下期から続く在庫調整については、適正な在庫状況に戻りつつある。

■部門別の概況
<FA部門>
 FA部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内を含む世界各国で低調に推移したものの、インドや補助金制度等が追い風となった中国で好調に推移し、CNCシステムの売上は増加した。FA部門の売上高は1,474億24百万円(前年同期比 10.0%増)となった。

<ロボット部門>
 ロボット部門については、国内では、自動車関連向けの需要がまだら模様の中、一般産業向けが期の後半堅調に推移し、売上が増加した。
 一方、中国では、好調だったEV関連向けが下降気味であり、インフラ関係と電子産業向けも低調で売上が減少した。また、欧米でも主に自動車関連向けが低調で売上が減少した。これらの結果、ロボット部門の売上高は2,423億86百万円(前年同期比 16.4%減)となった。

<ロボマシン部門>
 ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)では、主に海外市場が堅調に推移し、売上は増加した。ロボショット(電動射出成形機)では、中国、中国以外のアジアでの需要増があり、売上が増加した。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、米州、中国、中国以外のアジアで売上が増加したものの、欧州で売上が減少したため、総じて売上はやや減少した。これらの結果、ロボマシン部門の売上高は928億19百万円(前年同期比 21.8%増)となった。

<サービス部門>
 サービス部門については、「サービスファースト」をキーワードに、サービス体制の強化、IT技術の積極的な導入による効率アップ等を進めている。サービス部門の売上高は1,023億85百万円(前年同期比 6.4%増)となった。

 ファナック2025年3月期第3四半期データ

■連結業績予想に関する説明
 2025年3月期通期の業績予想を以下のとおり。
 売上高7,919億円(前期比 0.4%減)、営業利益1,523億円(同7.3%増)、経常利益1,904億円(同4.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,392億円(同4.5%増)。

 2025年1月から25年3月までの為替レートは、平均140円/ドル、150円/ユーロを想定している。

 ファナックの2025年3月期第 3四半期決算短信

 2025年3月期第 3四半期決算説明資料