日精樹脂、米国子会社の射出成形機組立工場を拡張、2月より稼働開始

 日精樹脂工業は1月17日、グローバル生産体制強化の一環として、米国テキサス工場(Nissei America,Inc.)における生産能力の増強を図るため、かねてより実施してきた工場の拡張工事を完了し、2025年2月より増築スペースの稼働を開始すると発表した。

 日精樹脂工業は、射出成形機のグローバルサプライヤーとして「より市場に近い生産基地で、各市場ニーズに合った最適機種を生産・供給していく」との方針のもと、日本、中国、タイ、米国、イタリアの世界5極によるグローバル生産体制を構築している。

 このうち米国工場については、北米市場に向けて大型射出成形機を安定的に、短納期で提供するため、2016年11月に生産子会社を設立し、2018年3月より工場の稼働を開始した。開業当時の米国では、第一次トランプ政権における対中国の追加関税や米国内への生産回帰の動きが強まる中で、同社は、Made in USAのハイブリッド式大型射出成形機の組立てを着々と進め、これまでに200台以上の米国製大型機を北米・中南米市場に送り出してきた。

 これまでは、型締力5,500kN(560トン)〜12,800kN(1,300トン)までの大型機の生産を行ってきたが、北米市場では自動車産業や住設・建築資材向けを中心に、さらなる超大型機設備への要望が多く寄せられていたことから、2023年3月に米国工場の拡張を決定、この増床工事により同29,400kN(3,000トン)クラスの超大型機まで組立可能な工場へと増強した。

 奇しくも米国では第二次トランプ政権のスタートを目前に控え、日本を含めた世界各国ではトランプ大統領の関税引き上げに注目が集まっているが、同社にとっては、今回の工場増強によりMade in USAのラインナップを拡充し、米国市場におけるプレゼンスをさらに高めることが可能と考える。また米国現地法人のNissei Americaは、2021年に製販一体運営の体制を整えていることから、引き続き顧客のニーズにきめ細かく的確に応え、顧客満足度の向上を図っていく。

 その他、Nissei Americaでは下記の施設・機能を有している。
1. テクニカルセンターを併設・・・カスタマーサービス向上の一環として、納入前の顧客立会い試験やセンター常設機によるデモンストレーションや各種試験(金型テスト・材料テスト等)に対応している他、各種セミナーを開催可能。
2.トレーニング・スクールを開校・・・プラスチック射出成形分野のエキスパートを育成する専門機関として、講義と実技によるカリキュラムでユーザー向けに開催。
3.パーツセンター・・・自動倉庫による部品管理で、カスタマーサービス体制を強化。

<米国現地法人の概要>
社名:Nissei America, Inc.
所在地:3730 Global Way, San Antonio, TX 78235, U.S.A.
(米国テキサス州サンアントニオ市ブルックスシティーベース工業団地内)
事業内容:射出成形機の製造・販売
出資比率:日精樹脂工業株式会社 100%
資本金:3,170万USドル
敷地面積:36,500㎡
建屋面積:今回の増築スペース 2,841㎡、既存スペースを含めた工場全体の建屋面積 13,521㎡

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