安川電機、24年3〜11月売上収益は7.2%減の3,937億円、通期予想は 4.8%減 の5,480億円に下方修正

 安川電機が1月10日に発表した2025年2月期第3四半期(2024年3~11月)連結業績によると、売上収益は前年同期比7.2%%減の3,936億89百万円 、営業利益は同26.3%減の343億13百万円 、親会社の所有者に帰属する当期利益は同30.7%増の454億84百万円 となった。

 2024年3~11月期における同社グループの経営環境は、半導体市場において需要の回復が見られたほか、自動車市場においても地域ごとの強弱はあるものの設備投資は底堅く推移した。一方で、欧州・中国では設備投資需要が総じて低調に推移した。このような環境において同社グループの業績は、高水準な受注残に支えられた前年同期に比べ、モーションコントロールを中心に減収となった。
 営業利益については、売上減少に伴う利益減の影響を大きく受け、間接費の抑制に努めたものの減益となった。一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、持分法適用関連会社である煙台東星磁性材料股份有限公司の株式の一部譲渡に伴い、株式譲渡益および残存株式の再評価益を計上したことにより、増益となった。

■地域別の経営環境
日本:自動車市場における設備投資が堅調に推移し、半導体・電子部品市場の需要は回復基調となった。一般産業の自動化需要も底堅く推移した。
米州: 半導体関連需要が順調に回復し、自動車市場含む自動化関連投資も底堅く推移した。一方、オイル・ガス関連や一般産業における需要は伸び悩んだ。
欧州: 自動車市場においてロボットの設備投資が増加した一方、製造業全般における需要の低迷が継続した。
中国: 内需の鈍化が見られるなど市場の回復は緩やかなものの、輸出向けなどを中心に需要は底堅く推移した。
中国除くアジア:台湾などでは半導体関連需要の回復が見られた。また、アセアン各国やインドでは、インフラ関連や一般産業分野などの設備需要が堅調に推移した。

■セグメント別の状況
<モーションコントロール>
 売上収益1,783億17百万円(前年同期比 △12.8% )/営業損益159億94百万円(前年同期比 △44.0%)
 モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成 。
 売上収益は、半導体関連の緩やかな回復が見られたが、高水準な受注残に支えられた前年同期に対し減収となった。利益面については、経費の抑制や付加価値の改善がプラスに寄与したものの、売上減少に伴う利益減の影響を大きく受け減益となった。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 米州・アジアを中心に半導体向けが緩やかに回復したが、日本・中国における市場の回復遅延などの影響を受け、売上収益は減少した。
〔インバータ事業〕 太陽光発電用パワーコンディショナの販売が堅調に推移したものの、高水準な受注残に支えられた前年同期に比べ、売上収益は減少した。

<ロボット>
 売上収益1,705億17百万円(前年同期比 +2.1% )/営業損益161億17百万円(前年同期比 △13.2%)
 日本と欧州を中心に自動車関連の売上が増加した。また、半導体市場向けウェハ搬送ロボットの販売も堅調に推移したが、一般産業分野における設備投資の需要は伸び悩んだ。これらの結果、売上収益は前年同期比で若干の増加となった。利益面については、生産稼働率の低下などにより減益となった。
<システムエンジニアリング>
 売上収益277億97百万円 (前年同期比 △17.6% )/営業損益30億20百万円 (前年同期比 +92.5% )
 主力の鉄鋼プラントや港湾クレーン、社会システム向けの販売が拡大したが、前年度下期の大型風力発電関連の子会社売却影響により、売上収益は前年同期比で減少した。利益面については、主力事業の売上増加に加え、事業構造改革の効果により大幅な増益となった。

<その他>
 売上収益 170億57百万円 (前年同期比 △10.9% )/営業損益10億32百万円 (前年同期比 9億50百万円増加 )
 その他セグメントは、物流サービス事業などで構成。売上収益は減少したが、営業利益はその他の収益の増加などにより前年同期比で増加した。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
 2025年2月期通期の連結業績予想について、韓国における半導体関連の設備投資の調整影響や、米国大統領選挙に伴う設備投資の一時的な様子見の動きにより受注が想定を下回ったことから2024
年10月4日に公表した2025年2月期通期連結業績予想を下記に修正した。
 売上収益5,480億円(前期比 4.8%減)、営業利益580億円(12.4%減)、税引前利益875億円(26.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益630億円(24.1%増)。

 なお、2024年12月1日から2025年2月28日までの期間における平均為替レートについては、米ドル、ユーロ、中国人民元を2024年4月5日公表の想定から見直し、1ドル=145円から155円、1ユーロ=155円から160円、1元=20円から21.5とする。韓国ウォンは1ウォン=0.11円を据え置いた。

 安川電機の2025年2月期第3四半期決算短信
 第3四半期業績概要