●年頭所感(2025年) 株式会社IHI代表取締役社長 井手 博

■ IHIグループ全従業員向け新年挨拶の要旨

 2025年は「グループ経営方針2023」の仕上げの年となる。昨年まで実施してきた事業ポートフォリオ改革、バランスシート改革や意識改革など、さまざまな改革のスピードをさらに加速し、IHIグループの次なる成長フェーズへの準備を進めていきたいと考えている。
 さらなる改革を加速するために、3点、私の考えをお伝えする。

①コンプライアンスの徹底
 IHIが企業グループとして永続的に存続するために、コンプライアンスの徹底について、一切の妥協を許してはならない。昨年各地区での全体集会でも伝えたとおり、私たち一人一人がもっとも大切にすべき中核となる価値である。コンプライアンスを徹底しなければ存続も成長もないことを、あらためて意識していこう。

②事業と業務の再定義
 昨年、私たちは事業構造改革や事業譲渡などを実行に移してきた。これらの改革の真の目的は「成長」である。事業や、その事業に携わる方々が持続的な成長を実感できるように「事業を変える」「業務を変える」ことが重要である。皆さんには、自身の仕事の上流・下流含め全方向に対して意識を向け、本当にやるべきことに集中できるよう、業務の見直しをしていこう。
 「事業を変える」「業務を変える」ためには、事業環境や社会が大きく変化する中で、従来の延長線上ではない成長シナリオを、企業も個人も描く必要がある。
 成長シナリオには、事業の将来、財務基盤の強化、人財育成、技術戦略、技術開発などが含まれる。私は、「グループ経営方針2023」で構築する「変革」の基盤の上に、次期中期経営方針における「IHIグループの成長シナリオ」を明確にしていきたいと考えている。

③DE&I の推進
 昨年は「DE&I」元年として、さまざまな取り組みをスタートした。昨年11月の全社員ミーティングでも話したとおり、DE&Iが文化となるまでの長い道のりを、IHIグループはようやく歩き始めた。多様性をはじめとする「DE&I」の取り組みによって、IHIグループの全員が「働きがい」を実感し、自らの成長を感じられる、そのようなIHIグループになるよう、今年も私が先頭に立って進めていく。一人一人のバックグランドを認め、相手に対して敬意を持って聞く、伝えることを意識し、生き生き働けるIHIグループにしていこう。

 最後になるが、私たちの基本である「安全」についてお話しする。2025年は、全員が「安全」について、さらに一段二段高い意識をもって取り組んでいく一年にしていきたい。安全・安心な職場、そして働くことの幸せを実感できる職場を築くために、共に歩んでいこう。
 
 本年が、皆さんとご家族にとって、健康で充実した一年となることを祈っている。

 IHI HP