謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
昨年は、令和6年能登半島地震に始まり、大型の台風や豪雨など、数々の自然災害に見舞われました。亡くなられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災されたすべての方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を心より祈念いたします。
2022年度にスタートした3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - Together, to “The Next” for sustainable growth」は本年3月で締め括りとなります。本中期経営計画では、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場をお客さまと共に実現するため、新たな顧客価値の創造を通じ、収益向上とESG課題解決との好循環を生み出し、持続的な成長を目指しています。安全性・生産性の向上や環境負荷低減などのお客さまの現場の課題解決に貢献するため、デジタル技術を活用した施工管理やフリート管理のソリューションを生み出し、それらと親和性が高く、安全性や環境性に優れた高効率な製品を提供することで、お客さまとともに未来の現場を実現する挑戦を続けています。
一般建機では、昨年12月に土木分野のフラッグシップである機械質量20トンクラスの油圧ショベルをフルモデルチェンジし、3D施工機能を標準装備した新世代油圧ショベル「PC200i-12」を日本で発売しました。施工の見える化・最適化を図るデジタルソリューションのスマートコンストラクション®と組み合わせることで、お客さまのICT施工導入を容易にし、建設現場の生産性向上により一層、貢献していきます。本年からは同機種を順次、欧米や豪州でも展開していきます。
鉱山機械では、露天掘り鉱山で使用される無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数が790台(2024年10月末時点)となり、本年度の目標である790台を前倒しで達成いたしました。
昨年7月には独鉱山機械メーカーGHH Group GmbHがグループに加わり、坑内掘りハードロック分野の主力商品であるロードホールダンプやマイニングトラックの商品ラインアップが充実しました。同分野における当社のプレゼンスを一層、拡大させていきます。
本中期経営計画において、2050年にカーボンニュートラルを実現することをチャレンジ目標として掲げました。
コマツは建設・鉱山機械のフルラインメーカーとして、お客さまの多様な環境対応ニーズを踏まえ、あらゆる選択肢を提供するため、内燃機関の更なる高効率化、ハイブリッドから、カーボンニュートラル燃料やバッテリー、水素活用に至るまで、全方位での研究・開発を進めています。一般建機では、すでに7機種の電動機を市場導入しており、今後もラインアップを拡大していきます。鉱山機械では、資源大手顧客11社とのGHGアライアンスを通じ、あらゆる動力源に対応するパワーアグノスティック・ダンプトラックの開発に取り組んでいます。一昨年に買収した米バッテリーメーカーAmerican Battery Solutionsの活用や、米General Motorsとの超大型ダンプトラック向け水素燃料電池モジュールの共同開発などの取り組みも、加速させていきたいと考えています。
また、本年1月に、私たちの価値観を行動様式で表現した「コマツウェイ」の改訂を予定しています。
コマツウェイは、2006年に明文化され、2019年3月以来、 今回で4回目の改訂となります。コマツの連結社員数は6.5万人を超え、その約7割が海外で我々のビジネスに携わっています。コマツがさらにグローバルに発展し、強い企業として成長するために、文化や習慣の異なる全世界の社員がコマツウェイを理解することが不可欠です。「挑戦する」「やり抜く」「共に創る」「誠実に取り組む」 という私たちの価値観をグローバルに共有し、顧客視点による新たな価値創造に向けて、全社員が総力を結集して取り組む姿勢を強調しています。
本年4月には新たな中期経営計画がスタートします。外部環境の不確実性が高まる中で、さまざまなリスクを想定した備えを着実に実行していきます。また、これまでの活動の成果を活かしつつ、未来の現場の実現に向けたロードマップの歩みをさらに前進させ、コマツがお客さまのパートナーとして選ばれ続けるように、コマツならではの顧客価値を創造する活動に挑戦していきます。
コマツは今後も、「品質と信頼性の追求」と、「ものづくりと技術の革新」を通じ、新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓くことを目指してまいります。
最後になりましたが、皆さまにとって素晴らしい1年になりますように、心より祈念いたします。
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