協和キリン、米国ノースカロライナ州に新バイオ医薬品工場の建設を決定

・協和キリン初の北米リージョンの工場建設により、バイオ医薬分野における開発の加速化を推進

 協和キリン(東京都千代田区)は6月10日、米国ノースカロライナ州サンフォードに新工場を建設すると発表した。最大 5億3,000万ドル(約832億円、、157円換算)を投資し、延床面積15,951m2、2つのバイオリアクターを有する工場を建設する。着工は 2024 年第3四半期を予定。アンメットメディカルニーズの高い疾患を持つ患者へいち早く価値を届けるために、この新生産施設によりバイオ医薬品開発・製造をさらに加速する。

 新生産施設では、今後の協和キリンの臨床試験用治験薬や上市品として、次世代抗体等の革新的バイオ医薬品が生産される。よりレジリエンス高く効率的な供給ラインを創出することで、グローバルな環境変化により柔軟に対応することができるものとなる。また、将来的に開発活動の進捗によるポートフォリオ拡張のニーズに対応するための施設拡張も可能。

高崎市(群馬県)と宇部市(山口県)の国内工場にサンフォードの新工場が加わることで、協和キリンのグローバル生産ネットワークが形成される。また、ノースカロライナ州において繁栄しているライフサイエンスハブの中心地サンフォードに新工場を建設することで、協和キリンはバイオ医薬品生産における豊富なリソースや米国有数の学術都市Research Triangle Park region の優秀な人材との交流が期待できる。協和キリンは高崎工場の製造方法や技術を基盤として生産性と効率性をさらに向上させることを目指す。

 協和キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献する。

<施設概要>
場所:米国ノースカロライナ州サンフォード
規模:延床面積 15,951m2 (171,700-square-foot) バイオリアクター2基
敷地面積:303,514m2
投資額:最大 5億3,000万ドル(約832億円、157円換算)
着工時期:2024 年下半期(予定)
竣工時期:2027 年(予定)
特徴:次世代抗体等の革新的バイオ医薬品生産拠点

 協和キリンの Chief Supply Chain Officer (CSCO) & Global Manufacturing Head の藏夛敏之氏は次のように述べている。

「協和キリンが米国にバイオ医薬品原薬製造工場の建設を決定したことについて嬉しく思います。工場の建設が完了すれば、高崎工場とノースカロライナ工場で拡張性のある設備を有することで開発から上市までの技術移管が容易になります。ひいては、アンメットメディカルニーズを抱える患者さんへ価値をお届けするための医薬品開発をさらに加速化できると考えます。」

 Kyowa Kirin North America の取締役社長 Steve Schaefer 氏は次のように述べている。
 「当社北米リージョンの存在感は、戦略的投資を通じて着実に拡大しており、当社のグローバル組織には新たな技能、治療の専門知識、そして優れた人材が加わっています。これらの取り組みは、ひとえに患者さんのニーズに応えるためです。ノースカロライナ州に魅力を感じた要素の一つは、調和とチームワークという意味である Wa(和)の価値観を共有できていることです。キリンの文化に深く根付いている Wa(和)の重要性は、これまでの長年にわたる様々な企業パートナーシップにおいても明らかです。この価値観が確かな品質の製品を生産する上でも基盤になると考えます。」

 ニュースリリース