神戸製鋼所とコベルコ建機、水素燃料電池ショベルの開発を加速

・高砂製作所に水素供給・稼働評価のための環境を整備

    ㈱神戸製鋼所コベルコ建機は連携をさ らに強化し、水素燃料電池ショベルの開発を加速させていく。5月22日、神戸製鋼所の高砂製作所に水素燃料電池ショベルへの水素供給と稼働評価環境を整備すると発表した。

 神戸製鋼所とコベルコ建機は、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、水素関連技術の研究開発 と、水素を利活用した製品化、事業化を進めている。その一環として、コベルコ建機は水素を駆動源とした燃料電池式電動ショベルの実用化に向けた取り組み を 2021 年から進めてきており、2023 年 3 月に試作機を完成させ、広島事業所内での基礎評価を続けて きた※1。しかし、今後、水素燃料電池ショベルの連続掘削評価を本格的に実施していくには、水素充填環境と掘削評価可能な環境が必要となり、その整備が大きな課題となっていた。

 神戸製鋼所の高砂製作所は、「ハイブリッド型水素ガス供給システム※2」の実証試験を行うなど、 KOBELCO グループの技術や知見を活用しながら水素関連技術の研究開発を進めるとともに、水素を利活用した事業化・製品化の拠点。神戸製鋼所とコベルコ建機は、高砂製作所内に水素燃料電池ショベルへの水素供給と、現場を想定した掘削作業評価が行える環境を整備する。24 年度中の運用、稼働開始を予 定している。

 両社はこれまでも水素燃料電池ショベルの開発環境構築などで連携してきたが、これを機にさらに連携を強化し、KOBELCO グループ全体で水素供給から利用までの課題解決を図っていく。

 KOBELCO ならではの多様な事業や技術、人材のかけ算により、水素を「創る」「運ぶ・貯める」「使う」 製品・サービスの開発に積極的に取り組んでいくことで、水素社会の構築に貢献するとともに、「安全・安心 で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指す。

※1 水素燃料による燃料電池式電動ショベル試作機開発の成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 助成事業の結果、得られたもの。2021 年に助成事業として、「燃料電池システムを搭載した油圧ショベルの研究開発と実証実験」 が採択された。
※2 中小規模の事業者の水素導入のカギとなる「安定かつ安価な水素づくり」に対するソリューションを提供するもので、KOBELCO グループが持つ 3つの製品・技術(液化水素から冷熱回収ができる液体水素気化器(IFV)、水電解式水素発生装置(HHOG)、運転マ ネジメントシステム)より構成される。

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