CKD、23年度売上は15.7%減の1,344億円、24年度予想は10.1%増の1,480億円

 CKDが5月10日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、売上高134,425百万円 (以下、前期比15.7%減) 、営業利益13,113 百万円 (38.1%減) 、経常利益13,048百万円 (38.4%減) 、親会社株主に帰属する当期純利益8,338 百万円 (43.6%減) となった。

 CKD2024年3月期通期データ

 2023年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が加速する中、緩やかに景気が回復しているものの、海外経済の減速を背景に輸出は伸び悩み、エネルギー価格及び原材料価格の継続的な高騰や、慢性的な人手不足など、楽観できない状況が続いた。設備投資は、省力化やデジタル化に向けたソフトウエア投資は堅調に推移したものの、中国の景況感悪化を背景に、製造業の生産用設備投資は慎重な姿勢が継続した。また、生成AIの普及に伴う需要の高まりから 半導体メモリは価格が下げ止まり、回復の兆しがあるものの、在庫調整が長期化するなど半導体設備投資の抑制 が続いた。
 海外では、中国経済は景気後退の影響を受け、製造業における投資は伸び悩んだものの、米中貿易摩擦による 先端半導体の輸出規制により、レガシー向け半導体製造装置の需要が増加した。
 欧米のインフレは鈍化傾向が続いており、米国では引き続き堅調な消費や雇用を受け、設備投資需要は底堅く推移している。東南アジアでは、世界経済の減速による輸出不振の影響が継続してみられた。

■セグメント別の状況
<自動機械部門>
産業機械のリチウムイオン電池製造システム及び三次元はんだ印刷検査機の売上高が増加した。
その結果、売上高は17,674百万円 (13.5%増) 、セグメント利益は収益改善の効果にセールスミックス も加わり、2,964百万円(47.6%増)となった。
<機器部門>
 国内市場では、コロナ特需の反動によるパソコンやスマートフォン需要の減少に伴う最終製品や部品の在庫調整の長期化を背景に、半導体製造装置向け売上高が減少した。海外市場も同様に、半導体設備投資需要が減少した北米及び東アジア、製造業では調整局面が続いた欧米や中国、景気減速の影響を受けた東南アジアなどそれぞれの地域で売上高が減少した。
 その結果、売上高は116,750百万円 (18.9%減) 、セグメント利益は売上減少により、14,842百万円(37.5%減)となった。

■今後の見通し
 世界経済の見通しは、依然続くロシア・ウクライナ情勢の長期化と中東情勢の緊迫などの地政学リスク拡大による資源・エネルギー価格の高騰や、景気下振れの懸念はあるものの、IT関連財での在庫調整が進み、世界貿易や 生産には底打ちの兆しがある。
 そのような中、同社グループを取り巻く事業環境は、製造業の自動化・省人化需要は底堅く推移することが見込まれるものの、半導体設備投資の本格回復は2024年後半になると見ている。また、エネルギー価格は引き続き 上昇が見込まれ、人件費や物価の上昇による仕入れコストの増加が予想されるため、経費削減や生産性の向上、そして価格転嫁による採算性の改善等に努めていく。

 以上の状況より、2025年3月期(24年度)連結業績予想は下記のとおり。

 売上高148,000百万円(前期比10.1%増)、営業利益17,500(同33.4%増)、経常利益17,500(同34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,800(同41.5%増)。

 なお、為替レートは、1米ドル145円を前提としている。

 CKDの2024年3月期決算短信

 決算資料