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日立建機、施工現場の状況を仮想空間に再現する「リアルタイムデジタルツイン基盤」を開発

・インターネット経由で遠隔地からの施工進捗の管理や自律型建設機械の操作を実現

 日立建機は5 月 9 日、㈱アプトポッド㈱ユニキャストと協力し、リアルタイムに施工現場のデータを収集して仮想空間に再現する「リアルタイムデジタルツイン基盤」を開発したと発表した。同基盤の活用により、日立建機は、施工に関わるさまざまなデータを収集し、インターネット経由で遠隔地からの進捗管理や自律型建設機械の操作を実現し、人と機械が協調する施工現場の実現をめざす。

 昨今、建設業界では少子高齢化を背景とした労働力不足が課題となっている。その解決策の一つとして、顧客からは自律型建設機械の開発に期待が寄せられている。こうした期待に応えるため、日立建機は「人、機械、現場環境」の情報を相互に共有することで、人と機械が「協調して」働き、安全性と生産性を両立する「協調安全」の施工現場の実現をめざしている。具体的には、機械やセンシングシステムで収集した情報に基づいて人への注意喚起や建設機械の制御を行い、現場全体を安全な方向に導きながら生産性の高い施工を行う。こうした施工を実現するため、2020 年 8 月には自律型建設機械向けシステムプラットフォーム「ZCORE(ズィーコア)」を開発した。また、2023 年 5 月にはアプトポッドへの出資と業務提携契約の締結を行い、デジタルツインで施工現場全体を可視化して、建設機械の自律運転を行うシステムの開発を推進してきた。

 同基盤は、リアルタイムに建設機械の位置・稼働情報、作業員の位置・生体情報、作業進捗による地形の変化といった施工現場の状況を収集し、仮想空間に再現することができる。これにより、遠隔地からインターネット経由で遅延することなく、人の個々の作業内容の調整や、現場で働く複数の建設機械の制御ができ、人と機械が共存する安全性の高い施工現場の実現が可能。

 同基盤の開発において、日立建機は自律型建設機械(油圧ショベル、ホイールローダ)の提供および施工現場をデジタルツインとして再現するための要件定義、アプトポッドは高速 IoTプラットフォーム「intdash(イントダッシュ)」を基にしたデータ収集に関わるクラウドシステムと、作業員が使用するモバイル・PC 端末のユーザーインターフェースの開発、ユニキャストは LiDAR から取得したデータを基に施工現場の地形を 3D データ化するソフトウエアの開発を担当した。アプトポッドやユニキャストの技術により、刻々と変化する大容量のデータを高速に伝送・処理できるため、リアルタイムなデジタルツインを構築できる。今後は、実用化に向けて実証試験を重ねて、自律型建設機械の高度化や現場の安全性・生産性の向上など、協調安全の実現をめざす。

 なお、日立建機は、第 6 回建設・測量生産性向上展「CSPI-EXPO」(2024 年 5 月 22 日(水)~24 日(金)、場所:千葉県・幕張メッセ)において、本基盤に関連する展示を行う予定。

 日立建機グループは、今後もオープンイノベーションを積極的に推進して新たな価値を創造し、顧客のニーズに応える製品・ソリューションを提供していく。

 詳細は、ニュースリリース

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