住友重機械工業が4月26日に発表した2024年12月期第1四半期(1〜3月)の連結業績によると、受注高は2,211億円(前年同期比15%減)、売上高は2,548億円(同 3%増)となった。損益面についは、営業利益は184億円(同 14%増)、経常利益は188億円(同 15% 増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は136億円(同 26%増)となった。
2024年第1四半期(1〜3月)における同社グループを取り巻く経営環境は、国内において製造業を中心に設備投資は緩やかな回復に向かう中、半導体市況の持ち直しの動きに足踏みが見られるなど、一部に弱さが見られた。海外においては、米国では内需主導で経済成長を牽引する中、設備投資が底堅く推移する一方、欧州では金融引き締めによる景気悪化により、英国及びドイツを中心に弱含みが続いた。中国においては、不動産市況の悪化に端を発した景気減速が継続しており、生産、消費の持ち直しの動きは鈍く需要の低迷が続き、その影響は東南アジアにも波及している。加えてロシア・ウクライナ、中東問題などの地政学上リスクが残るなど、依然として不透明感が残る状 態でもあった。
このような経営環境のもと、同社グループは「中期経営計画2026」に基づき、製品・サービスによる社会課題解決を通じて持続的に企業価値を拡大することをめざし、強靭な事業体の構築へ向け、収益力改善、資本効率向上、 新事業探索の強化を遂行するとともに、SDGsへの貢献拡大及び環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進した。
■セグメント別の状況
①メカトロニクス
中小型の減・変速機は、中国での市況低迷が継続、またモータ、インバータは、欧州での顧客の在庫調整の影響があり需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少した。
この結果、受注高は472億円(前年同期比9%減)、売上高は494億円(同 7%減)、営業利益は17億円(同 47%減)となった。
②インダストリアル マシナリー
プラスチック加工機械事業は、中国での電気電子関連の需要が停滞、また欧州においても投資の冷え込みが継続したことから受注、売上、営業利益は減少した。
その他の事業は、半導体市況の停滞に伴う顧客の在庫調整や投資先送りの影響などを受け、受注は減少したが、受注残が高い水準だったこともあり、売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は625億円 (前年同期比11%減)、売上高は665億円(同 3%減)、営業利益は62億円(同 13%減)となった。
③ロジスティックス&コンストラクション
油圧ショベル事業は、国内において前期にあった価格改定前の駆け込み受注がなくなったことや、米国での前期の先行発注の反動減などにより受注は減少したものの、米国を中心に受注残が高い水準であったことから売上は増加し、営業利益は国内での価格改定効果もあり増加した。
その他の事業は、建設用クレーン事業では、北米の需要が底堅く推移したことから受注、売上、営業利益ともに増加した。また、運搬機械事業では、製鉄や造船向けでの大型案件があったことから受注は増加したもの の、当期売上対象となる案件が少なかったことから売上、営業利益ともに減少した。
この結果、受注高は847億円(前年同期比14%減)、売上高は945億円(同 8%増)、営業利益は92億円(同 55%増)となった。
④エネルギー&ライフライン
エネルギープラント事業は、欧州の発電設備の大型改造案件の減少により受注は減少したが、案件の工事進捗差により売上は増加し、営業利益は前年同期並みとなった。 その他の事業は、新造船事業からの撤退により、2024年度以降の新規受注を停止したことなどから受注は減少したものの、受注残があったことから売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は250億円(前年同期比34%減)、売上高は429億円(同 15%増)、営業利益は9億円となった。
⑤その他
受注高は16億円(前年同期比3%増)、売上高は16億円(同 10%増)、営業利益は5億円(同 10%増)となった。
■ 2024年12月期連結業績予想
2024年12月期の連結業績予想(下記)については、 2024年2月14日の決算短信で公表した数値の修正は行っていない。
売上高1兆1,100億円(前期比2.6%増)、営業利益700億円(同5.9%減)、経常利益660億円(同6.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益410億円(同25.2%増)。
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