国際協力銀行(JBIC)、諸岡による米国法人の買収資金を融資

 国際協力銀行(JBIC)は3月22日、㈱諸岡(茨城県龍ケ崎市)との間で、融資金額計13百万米ドル(JBIC分)の貸付契約2件を締結したと発表した。融資は、三菱UFJ銀行との協調融資により実施するもので、協調融資総額は18百万米ドル(約27億円、150円換算)。

 今回の融資は、諸岡の米国法人Morooka, Co.(以下、MC)が、建機の販売事業を行う米国法人American Track Career, LLC(以下、ATC)、及び建機のレンタル事業を行うAmerican Track Rentals, LLC(以下、ATR)を買収するために必要な資金を融資するもの。

 諸岡は、1958年の創業以降、建設用・林業用機械の製造・販売を行う中小企業。同社は、日本、米国及び欧州等の地域に向けて、ゴム製のクローラ*1を特長とする不整地運搬車等の建設用・林業用機械を製造・販売している。2003年にインフラ工事や災害復旧工事等の不整地環境下での工事需要が見込まれる米国に進出し、2016年には製造や米国での事業統括の拠点としてMCを設立した。諸岡は米国において強固な顧客網を有するATC及びATRのMCによる買収を通じて、米国における事業の拡大を図っている。

 今回の融資は、こうした諸岡の海外事業展開を支援するものであり、日本企業による海外でのM&Aに必要な長期資金を供給することで、日本企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するものであり、米国での本邦企業によるサプライチェーン強靱化に資するもの。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、日本企業による海外M&Aへの支援を行っていく。

注釈*1 :クローラとは建機の足回り部分のこと。諸岡のゴムクローラはゴムの中心に鉄芯を通すことで軽量且つ耐久性に優れており、鉄製クローラに比べ不整地での利用に強みを持つ。

 ニュースリリース