丸紅は3月18日、英国・Antofagasta plcと共同出資するMinera Centinela社が、3月15日、チリ共和国センチネラ銅鉱山の拡張プロジェクトの開発資金調達のため、総額25億米ドル※のプロジェクトファイナンスによる融資契約に調印したと発表した。
ファイナンスには、国際協力銀行、カナダ輸出開発公社、韓国輸出入銀行、ドイツ復興金融公庫、三井住友銀行、クレディ・アグリコル銀行、ソシエテジェネラル銀行、ナティクシス銀行の計8社が参加している。同ファイナンスを通じて調達した資金により、拡張プロジェクトの開発を加速し、2027年の生産開始を目指す。
銅の需要は、新興国の発展に伴う電化・インフラ整備の拡大に加え、グリーントランジションに伴う電気自動車(EV)の普及や再生可能エネルギーの導入加速化などによって、更なる増加が見込まれている一方で、呼応する規模での供給の拡大は見込めず、需給ギャップは長期的に広がる見通し。
この拡張プロジェクトによって、センチネラ銅鉱山全体の銅生産量は、約14万トン/年(丸紅の持分権益銅量(銅地金換算)は約4万トン/年)増加し、世界有数の生産規模となり、銅の安定供給に貢献する。また、不純物が少ないことから、日本を含めた世界中の製錬事業者にとって貴重な原料となる。更に、副産物の金生産量でもチリ有数の金鉱山に分類される規模となる。日本は、銅地金の原料である銅精鉱の全量を海外からの輸入に依存しているため、長期安定的な銅資源確保は喫緊の課題であり、拡張プロジェクトにより課題解決の一端を担う。
丸紅は、中期経営戦略「GC2024」においてグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置付け、銅事業をグリーン事業と分類している。今後も持続可能な銅の安定供給を担うとともに、銅事業の拡大に取り組んでいく。
※初期開発費用は44億米ドル。