・杭・連壁の高精度な構築を可能とし、残コンクリートとCO2排出量の削減を実現
大成建設は3月18日、「生産プロセスのDX」の一環として、場所打ち杭や地中連続壁(以下、杭・連壁)などの基礎構造物の構築工事において地盤の掘削形状を短時間で正確に把握することができる3次元計測技術「T-Pile 3D Monitor」を開発したと発表した。同技術の適用により、杭・連壁の高精度な構築が可能となり、残コンクリート量とそれに伴うCO2排出量の削減を実現できる。
杭・連壁の構築工事では、地盤掘削形状を正確に把握することが施工品質確保の観点から大変重要となる。しかし、掘削形状は地盤性状に左右される上に、近年は地盤支持力の向上を目的として先端部形状を拡大する拡底杭など多様な杭・連壁の採用増加に伴い掘削形状自体も複雑化しており、掘削終了時の地盤掘削形状の正確な把握がより困難な状況となっている。従来の掘削形状測定では、超音波測定器を用いて孔壁の円周方向2断面だけを測定してきたが、複雑な掘削形状を正確に把握するには孔壁に対して測定器の円周方向角度を変えて何度も計測する必要があり、多大な労力と時間を要していた。また、地盤の掘削形状は掘削機の軌跡よりも大きな形状となることが多いため、コンクリート打設時に設計量より数%割増してコンクリートを余分に手配する必要があり、打設終了後の残コンクリートの削減も課題の一つとなっていた。
そこで大成建設は、掘削地盤(孔)内に吊り下げた超音波測定器を孔壁の円周方向に回転させながら、任意角度での計測を自動制御で行い、取得した計測データを現場パソコンで解析・可視化することで、地盤の3次元的な掘削形状を短時間で正確に把握することができる計測技術「T-Pile 3D Monitor」を開発した。
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