三菱ケミカルグループ、乳化剤「シュガーエステル」の製造能力を追加増強

・高品質な食品への世界的な需要に応えるため、九州事業所に新ラインを追加

 三菱ケミカルグループ(東京都千代田区)3月1日、高品質な食品への世界的な需要に応えるため、乳化剤「シュガーエステル」について、三菱ケミカル九州事業所(福岡県北九州市)の製造設備(製造能力:2,000トン/年、2024年3月本格稼働予定)に、新ライン(1,100トン/年)を追加して製造能力を増強すると発表した。新ラインは2024年1月に着工しており、稼働開始は2026年3月の予定。

 シュガーエステルは、ショ糖と植物油脂由来の脂肪酸を主原料とした乳化剤。水分と油分を均一に混合させる機能を有し、食品の加工や流通保管時の品質維持に役立ち、飲料(缶コーヒーなど)、乳製品(ホイップクリームなど)、菓子(ケーキやチョコレートなど)といった幅広い分野で使用されている。三菱ケミカルグループのシュガーエステルは世界シェアの約7割を占め、優れた乳化機能に加え、顧客のニーズに応じて組成や構造を最適化する技術に強みがある。

 三菱ケミカルグループは、国内の安定した需要と中国などの海外需要の伸長、BCP対応に応えるため、稼働中の東海事業所(製造能力10,000トン/年、三重県四日市市)に加え、九州事業所の製造設備(2,000トン/年)を2024年3月に本格稼働する予定。また、今春から欧米や東南アジアにおけるマーケティング体制を強化するため、各地域での営業拠点設立を検討しており、すでに食感やおいしさの向上など、顧客ニーズに応じた商品設計を開始している。加えて、三菱ケミカルグループのシュガーエステル製造設備は、コーシャ※2認証およびハラル※3認証を取得済み。これらの取り組みにより、さらに海外需要増加が見込まれるため、九州事業所に新ライン(1,100トン/年)を追加してサプライチェーンを強化する。

 三菱ケミカルグループは、革新的なソリューションを提供するスペシャリティマテリアルグループとして、これからもシュガーエステルの展開を通じ高付加価値な製品を提供していく。

※1三菱ケミカルグループは、三菱ケミカルグループ株式会社とそのグループ会社の総称。
※2ユダヤ教の戒律に基づく規定、※3イスラム教の戒律に基づく規定。

 ニュースリリース