・持続型社会に貢献する新たな研究拠点を設置
・グリーントランスフォーメーション、次世代モビリティに対応するR&Dを強化
東レ(東京都中央区)は2月21日、グリーントランスフォーメーション(GX)や次世代モビリティに対応した研究・技術開発の加速を目的に、名古屋事業場(愛知県名古屋市)に新研究棟を設置すると発表した。
「グリーンとナノの融合」をコンセプトに、社内外の幅広い要素技術を融合させた素材開発を推進すると共に、研究段階からの化学工学的視点の取り込みやデジタルソリューション提案力を強化し、社会全体での温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた素材開発・プロセス設計・顧客提案を一体推進する体制を構築する。
東レグループは創業以来、社会の「発展」と「持続可能性」の両立をめぐる様々な課題に対して、革新技術・先端材料の提供により貢献してきた。
近年深刻化している地球環境問題に対しては、高機能樹脂や炭素繊維複合材料などの革新素材で社会のGHG排出削減に貢献してきましたが、持続型社会を実現するためには、素材機能を追求しながら環境配慮型素材への転換が必要。また、モビリティ分野では、近年、社会のGHG排出削減に向けた電動化、軽量化に加え、自動運転、UAM(アーバンエアモビリティ)、ドローンなど多様な次世代モビリティの開発が活発化しており、世の中の変化に対して迅速な対応が求められる。
今回、GXへの対応加速および多様な次世代モビリティ向け材料のR&D拠点として新研究棟の設置を決定した。顧客・アカデミア連携、グローバル研究・技術開発のハブ機能としての発展を目指す。
新研究棟では、ポリマー、ケミカル、炭素繊維複合材料の研究者に加えて、DX人材や化学工学知見を有する開発者が集結し、MIや計算化学を取り入れたポリマー設計、ナノ構造制御、複合材料設計などの「ナノテクノロジー」を高度化し、リサイクルやバイオ原料化などの「グリーンテクノロジー」を融合させると共に、プロセス観点からの環境負荷低減に取り組むことで、持続型社会の実現に貢献する素材開発を強化していく。
また、モビリティ関連の開発・評価機能を有する「環境・モビリティ開発センター」(EMC)ならびに「アドバンスドコンポジットセンター」(ACC)の隣接地に新研究棟を設置することでシナジーを図り、一体となった研究・技術開発、デジタルソリューション提案を推進していく。さらに、顧客・アカデミアとの協創の場となるオープンラボを設置し、研究者同士のコミュニケーション活性化・アイディア創発を促す仕組みを取り入れることで社内外のオープンイノベーションの強化を図る。
東レは創業以来、「研究・技術開発こそ、明日の東レを創る」との信念に基づき、基礎研究・基盤技術の強化とともに、技術融合と極限追求により、先端材料の研究・技術開発を推進している。
今後も、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念のもと、長期的視点での革新的な先端材料の創出を通じて、持続可能な未来社会の実現に貢献していく。
<新研究棟の概要>
施設概要:延床面積約8,600m2、3階建
所在地:愛知県名古屋市(東レ名古屋事業場内)
竣工予定:2026年度 第1四半期
主な機能・設備
(1)技術融合・オープンイノベーションを推進する機能・設備
・基礎研究から応用研究まで幅広く対応する化学実験室
・技術実証のための試作、加工エリア
・オープンラボ
(2)研究者同士のコミュニケーションによるアイディア創出機能
・ワンフロア型執務、実験エリア:140名収容
・オープンな各種打合せスペース
(3)省エネルギー配慮型設備