東ソー、約160億円投じ分離精製剤の生産能力を増強

・抗体医薬品、核酸医薬品精製の需要拡大に対応

 東ソーは8月1日、南陽事業所(山口県周南市)において、分離精製剤(商品名:TOYOPEARL、およびTSKgel PW)製造設備の生産能力増強を決定したと発表した。

 分離精製剤は同社バイオサイエンス事業部の主力製品の一つで、バイオ医薬品製造等の精製工程で使用されている。バイオ医薬品で現在主流となっている抗体医薬品はもとより、近年注目を集めている核酸医薬品の精製においても高い分離性能を有しており、幅広く使用されている。

 バイオ医薬品は抗体医薬品を中心に遺伝子治療薬、新型コロナウイルスワクチン等で需要が拡大し、核酸医薬品市場も急速に成長していることから、新規開発・製造への投資が活発になっている。その需要増に応えるために、大幅な生産能力の増強を行い安定供給体制の確立を図る。

 東ソーでは、分離精製剤のみならず、精製用プレパックカラム(SkillPakTM)、連続クロマトグラフィー装置(Octave(*))への積極投資を継続しており、バイオ医薬品製造工程におけるトータル・ソリューション・プロバイダーを目指している。

 同計画により需要の拡大に対応し、関連製品のラインアップ拡充と合わせて、今後もバイオサイエンス事業の拡大を図っていく。

*:OctaveはTosoh Bioscience Wisconsin Inc.(旧Semba社)の米国等における登録商標。

<計画内容>
立地:南陽事業所(山口県周南市開成町4560番地
対象設備:分離精製剤製造設備
生産能力:約70%増(現有能力比)
投資額:約160億円
計画着工:2022年7月
完工予定:2024年7月
商業運転:2025年3月予定

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