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Advanced Clean Energy Storageプロジェクトが米国エネルギー省から5億ドルの融資保証を獲得

・ユタ州に世界最大のグリーン水素ハブを開発するため、米国エネルギー省 融資プログラム局が10年ぶりとなる融資保証を実施

 三菱重工業:2022年6月14日

 Advanced Clean Energy Storage I, LLCはこのほど、米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)融資プログラム局から5億440万ドルの融資保証を受けました。Advanced Clean Energy Storage I, LLCは、三菱重工グループの米国現地法人である三菱パワーアメリカ(Mitsubishi Power Americas, Inc.)および岩塩空洞の開発・運営会社であるMagnum Development, LLCにより設立されたACES Delta, LLCが、ユタ州に世界最大のグリーン水素の製造・貯蔵施設となる水素ハブ(Advanced Clean Energy Storageプロジェクト)を建設するために設立した特別目的会社です。再生可能エネルギープロジェクトがこのDOEプログラムの対象となるのは、およそ10年ぶりです。

 DOE融資プログラム局は、本年4月にこの融資保証を条件付きで承認していましたが、6月3日に融資保証が供与されました。この融資保証は、クリーン水素に対する米国当局の強いコミットメントを示すものであり、米国西部における水素インフラ基盤の構築に寄与するものです。
 建設されるグリーン水素ハブは、米国ユタ州で発電事業を行うIntermountain Power Agencyの発電所更新プロジェクト(IPP Renewed Project)にグリーン水素を供給します。IPP Renewed Projectは、既存の石炭焚き発電設備を、当社が供給する最新の84万kW級水素焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所にアップグレードするものです。このGTCC発電所は、30%のグリーン水素混焼で2025年に運転を開始し、段階的に水素の割合を拡大させ、2045年までにグリーン水素100%運転を達成する計画です。
 Advanced Clean Energy Storageプロジェクトは、水電解装置による水素製造プラントと岩塩層を利用した水素貯蔵設備から成ります。水素製造プラントでは、再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することにより、1日あたり最大100トンのグリーン水素を製造します。その貯蔵にはユタ州に存在する地下の岩塩層が用いられ、それぞれ5,500トン以上(発電電力量150GWh規模)の貯蔵能力を持つ2つの巨大な岩塩空洞にグリーン水素を貯蔵する世界最大のサイトとなります。これにより、余剰の再生可能エネルギーを水素として蓄え、必要なときに送電網に電気として戻すことで、コストを抑えて再生可能エネルギーを無駄なく活用することができます。

 今回の融資保証の供与を受け、米国エネルギー省長官のジェニファー・グランホルム(Jennifer M. Granholm)氏は次のように述べています。「バイデン大統領の就任以来、DOEは、新技術によりクリーンで信頼性の高いエネルギーを供給するため、融資プログラム局を最大限活用することとしてきました。CO2を排出しない長期的なエネルギー貯蔵ソリューションとして、クリーン水素の商業展開を加速することは、経済の脱炭素化、優良雇用の創出、そしてより多くの再生可能エネルギーを送電網に接続可能にするための第一歩となります」。

 三菱重工の取締役社長・CEOである泉澤清次は次のように述べています。「このプロジェクトは、当社が進めるエナジートランジション戦略の先駆けとなるものです。我々が目指す、水素を「作る」「貯める」「運ぶ」「使う」というバリューチェーンの構築を、水素の利活用で先行する米国で初めて実施することになりました。三菱重工グループは、今回の取り組みから得られる技術・ノウハウを活かし、今後も日本を含む世界の脱炭素化に貢献していく所存です」。

三菱重工は「MISSION NET ZERO」を掲げ、世界中のパートナーとの協調によりエナジートランジションを推進し、グループの総合力を結集してカーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していきます。

 ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。

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