日鉄エンジニアリング、現代製鉄の唐津製鉄所向けコークス乾式消火設備を受注

 日鉄エンジニアリング(東京都品川区)は12月16日、現代製鉄(韓国)より、唐津製鉄所向けにコークス乾式消火設備(以下CDQ※1)3基を受注したと発表した。

 現代製鉄は、脱炭素化・低炭素化に向けて大規模な設備投資を実施中であり、既設のコークス湿式消火設備を、韓国最大級のCDQ(コークス冷却処理能力:200㌧/h×2基および230㌧/h×1基)に更新することにより、地球温暖化ガスの排出を大幅に削減することができる。

 今回、日鉄エンジニアリング製CDQの世界最高水準の蒸気発生率や豊富な納入実績、高い稼働率、安定的な稼働実績などが現代製鉄に高く評価され、受注に至った。

 海外の製鉄会社には、日本発の省エネ・環境対策技術が数多く導入されているが、その中でも特にCO2排出削減効果の高いのが日鉄エンジニアリング製CDQ。今回の現代製鉄からの受注により、日鉄エンジニアリンググループのCDQ受注実績は、韓国内では累計13基(昨年のPOSCO向けに次ぐ連続受注)、日本・中国・台湾なども含めた全世界では累計153基となる。日鉄エンジニアリンググループが過去に納入したCDQがもたらすCO2排出削減効果※2は、昨年度は20百万㌧-CO2/年を超える値となった。

 日鉄エンジニアリングは、今後も製鉄業界における環境・省エネ設備のトップサプライヤーとして、世界の製鉄業の持続可能な発展ならびに気候変動など地球規模の課題解決に貢献していく。

※1: コークス乾式消火設備(CDQは「Coke Dry Quenching」の略。)
 コークス炉で乾留された赤熱コークスを、冷却塔内で不活性ガスを用いて冷却するともに、従来は放散していた赤熱コークスの顕熱をボイラーで蒸気として回収する設備。密閉空間の冷却塔でプレチャンバーとクーリングチャンバーで構成される。

 ①コークスを冷却する際のダスト発生の抑制、②蒸気による発電を通じたCO2排出減、③高炉での使用に適したコークス品質の改善、の3つの効果が期待できる。

※2: CO2排出削減効果
 発電量を国内電力の排出係数などを用い、設備特性を踏まえた稼働率を前提として試算したCO2排出削減効果の値。

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