三井E&Sマシナリー、遠隔システムデモルームに高耐放射線性ロボットTELBOT®を新設

 ㈱三井E&Sマシナリーは8月26日、2019年に岡山県玉野市の工場内に廃炉等の原子力分野向け遠隔システムのソリューションサービスを目的としたデモルームを開設しているが、今回、同デモルーム内に、狭隘部へのアクセスにも適した、器用な高耐放射線性ロボットTELBOT®を新たに設置したと発表した。同ロボットは、原子力分野で世界的に定評のある、当社と業務提携をしているヴェリッシュミラーエンジニアリング社(ドイツ)製であり、国内で多くの納入実績がある。

 TELBOT®は、集積線量1MGy(*1)の高い耐放射線性を保有し、原子炉内など放射線量の高いエリアでの長時間の作業が可能。駆動部は後方のドライブユニットに集約し、アーム部はトルクチューブとギヤのみで構成することにより、アーム内部にモータ、センサ、配線がなく、除染性に優れた滑らかでスリムな外形を実現するばかりではなく、全ての軸が無限回転可能なため操作範囲が極めて広く、狭隘部へのアクセスにも適している。さらに、マスタースレーブ操作機能(*2)やフォースフィードバック機能(*3)も備えた器用なロボット(サーボマニピュレータ)であり、繊細な作業も可能。

 デモルームは約200平方メートルの展示エリア、約60平方メートルのミーティングルーム、約130平方メートルのトレーニングエリアを備え、既に、世界初のセンサレス制御技術を採用した高耐放射線性ロボットA1000SLシリーズ2機(200㎏タイプ、100㎏タイプ)、機械式マニピュレータ2種4機による教育・訓練(運転、保守)やモックアップによる技術実証サービスを2019年から提供しており、開設以来300名以上の顧客が来所している。

 同社がソリューション事業の柱の一つとして推進している、福島第一廃炉プロジェクトでは、内部調査から燃料デブリの取出し段階に移行中で、ロボット、マニピュレータ等を用いた高度な遠隔システム技術がさらに求められている。

 今回、新たにTELBOT®を加えることにより、顧客の更なる多様な要望に応えべくソリューション提供事業を一層強化していく。

 *1 集積線量: 機器が耐えられる放射線の総量(積算量)

 人間の致死量は約7Gy、廃炉の調査用ロボットは約100Gy程度

 *2 マスタースレーブ操作機能:オペレータが操作するアーム型の操作器(マスター側)の動きに合わせてロボット(スレーブ側)が同じ動きをトレース(追尾)する機能

 *3 フォースフィードバック機能:ロボットにかかっている力(負荷)を、オペレータの操作する操作器に動作抵抗等により伝え、操作感覚を触覚的に感じることが出来る機能

 廃炉作業向け遠隔システムのデモルームを開設について

 https://www.mes.co.jp/press/2019/0709_001273.html 

 ニュースリリース