不二越、2019年11月期売上は1.2%減の2,490億円、今期見通しは7.7%減の2,300億円

 ㈱不二越が1月15日に発表した2019年11月期の連結業績によると、売上高は、2,490億7,700万円(前期比1.2%減)、このうち、国内売上高は1,350億4,800万円(同3.1%増)、海外売上高は1,140億2,800万円(同5.9%減)となった。利益面については、生産性の改善やコストダウンに取り組んだが、円高に加え、原材料やエネルギー価格の高止まり、人件費増などが収益を圧迫し、営業利益は133億4,800万円(同12.8%減)、経常利益は122億4,100万円(同11.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は82億4,500万円(同7.8%減)となった。

 2019年11月期における経営環境は、米中通商問題の影響拡大や英国のEU離脱問題などで、世界経済の減速感が一段と高まり、総じて厳しい状況となった。不二越グループは、ロボット事業を核に、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、国内外での新規開拓や、画期的な新商品の市場投入などによる受注・売上の拡大に取り組んだ。また、中長期的な業容の拡大と、足もとの収益構造の改善に向けて、営業・開発・生産体制を強化してきたが、国内では自動車や産業機械の弱さが見られ、中国を中心に海外市場も減速した。

 不二越2019年11月期データ

■セグメント業績

 機械工具事業では、中国など海外市場の減速の影響があったものの、工具やロボットの新商品の投入や工作機械の大型案件もあり、売上高は877億3,900万円(前期比1.3%増)となり、営業利益は61億300万円(同5.5%増)となった。

 部品事業では、建設機械分野の需要は底堅く推移したものの、自動車・産業機械分野での減産の影響があり、売上高は1,430億5,200万円(前期比3.2%減)、利益面では、減収に加え原材料価格の高止まりなどの影響もあり、営業利益は54億5,900万円(同33.0%減)となった。

 その他の事業では、特殊鋼の販売価格の引き上げなどにより、売上高は182億8,500万円(前期比3.3%増)、営業利益は17億4,000万円(同29.0%増)となった。

■今後の見通し

 次期の事業環境については、米中通商問題をはじめ先行きが不透明であり、現時点では、自動車・産業機械・建設機械・市販分野ともに需要動向が見通しづらい状況にある。このような事業環境のなかで、合理化や自動化、省エネ、生産性改善などのニーズが一段と高まることに対して、画期的な新商品を投入し、ビジネスチャンスを拡大していく。また、原価率の引き下げなど強靭な生産体制を構築し、収益改善を進めていく。

 2020年11月通期の連結業績予想は、売上高2,300億円(前期比7.7%減)、営業利益125億円(同6.4%減)、経常利益115億円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益80億円(同3.0%減)を見込んでいる。

 なお、為替レートは1USドル107円、1ユーロ118円、1中国元15.3円を前提としている。

 不二越の2019年11月期決算短信

 決算補足資料