●年頭所感 コマツ 大橋徹二社長

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は日本国内において、西日本を中心とする「平成30年7月豪雨」をはじめ様々な災害が発生し、多くの被害をもたらしました。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

 昨年の状況を地域別に見ると、日本では新排出ガス規制前の駆け込み需要の反動減により需要が減少しましたが、海外においては、伝統市場である北米の需要が引き続き好調だったほか、中国やインドネシア、オセアニアといった戦略市場でインフラ工事やマイニングが好調だったことから、大幅に需要が増加しました。

 コマツでは、2016年4月から、2019年3月期をゴールとする中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide-Growth Toward Our 100th Anniversary(2021) and Beyond-」を掲げ、①イノベーションによる成長戦略、②既存事業の成長戦略、③土台強化のための構造改革、を重点項目とした活動を実施しています。

 イノベーションによる成長戦略としては、2015年2月から国内で展開している建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を着実に推進し、すでに6,400以上の現場に導入いただきました。昨年10 月には、アジア最大級の規模を誇る国際展示会「CEATEC JAPAN 2018」に初出展し、「もっと安全で、もっと生産性の高い、もっとスマートな未来の現場」をテーマに、「スマートコンストラクション」の新しい挑戦を紹介しました。国内の建設業界では、建設労働者のうち100万人以上が今後 10 年で高齢化等により離職することが想定されており、労働力不足が大きな課題となっています。建機業界各社が一丸となって、安全で生産性の高い建設生産プロセスを目指し、イノベーションを起こしていく必要があると感じており、コマツもその一翼を担っていく所存です。

 また、既存事業の成長戦略としては、米国の大手鉱山機械メーカーであるジョイ・グローバル社を2017年4月に買収し、コマツマイニング(株)としてあらたにグループに加えましたが、全ての鉱山現場に新しい価値を創造する活動を着実に進め、想定を上回るシナジー効果を生んでいます。

 コマツは「品質と信頼性」を追求し、お客さまや社会に必要とされる存在であり続けることを目指しています。最後になりましたが、皆様にとってすばらしい1年になりますように、心より祈念いたします。

 コマツ