長瀬産業、米国で3Dプリンター向け材料開発・製造の合弁会社を設立

■欧米での市場開拓の拠点に年度内に水溶性サポート材の販売開始

 長瀬産業は8月28日、100%子会社であるNagase America Corporation(本社:米国ニューヨーク州、以下ナガセアメリカ)は、スペシャリティケミカルや特殊樹脂等の開発に強みを持つInterfacial Consultants LLC(本社:米国ウィスコンシン州、以下IFC社)との間で、合弁会社 Infinite Material Solutions LLCを設立したと発表した。

 合弁会社では、産業用途に飛躍的な成長が見込まれる3Dプリンター向け特殊材料の開発・製造を行う。すでに、3Dプリンターの主流の一つであるFDM(熱溶解積層)方式の3D印刷に向けた水溶性サポート材フィラメントの製品化を進めている。このサポート材は、ABS樹脂などの汎用エンジニアリングプラスチック(以下、エンプラ)だけでなく、より機械特性・耐熱性などに優れたPEI樹脂やPEEK樹脂などのスーパーエンプラにも対応した業界初の水溶性サポート材(*)で、2019年初めの販売開始を予定している。水溶性サポート材は、非溶解性に比べて微細なデザインを造形でき、除去作業の時間・労力・コストを大幅に削減できる利点がある。

 超エンプラを原料とする3D印刷は、自動車や航空宇宙産業、医療機器等向けの需要増により市場規模が今後5年で約10倍になると見込まれており(IDTechEX 社調べ)、合弁会社ではFDM方式以外の3D印刷向けにもサポート材の開発を進めていく。

 ナガセアメリカは、合弁会社が開発・製造した高付加価値製品を、世界の3Dプリンター市場の約40%(同社調べ)を占める欧米市場において先行的に販売する方針。

(*IFC社の特許技術)

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