■技術力向上・新工法の具現化を主導する研究施設「トライアルセンター」の機能強化
三谷産業(本社:石川県金沢市)は8月22日、車載向け樹脂成形品や電子部品の製造・販売を行う樹脂・エレクトロニクス事業の拡大のために、広島事業所を新たに建設・移転すると発表した。投資額は5億円。同事業所は広島営業所と、技術力向上・新工法の具現化を主導するトライアルセンターで構成される。また、同日、2018年3月竣工に向けて地鎮祭を開催した。
なお、同事業所の設計・施工では、同社空調設備工事事業で推進しているBuilding Information Modelingという技術を活用し、建設現場での施工管理業務の負荷低減にも取り組んでいく。
■「トライアルセンター」の機能を強化
三谷産業グループの樹脂・エレクトロニクス事業では、樹脂成形品の量産や、それを電子部品と組み合わせた複合ユニット製品の製造をベトナムの工場で行っているが、そこで不良を出さないためには量産の前工程にある生産準備の徹底が欠かせない。そこで、「良品しかつくらない製造工程」を標語に掲げて高いレベルでの品質保証に取り組むとともに、技術力向上・新工法の具現化を主導する施設として、「トライアルセンター」を設置している。
今回、広島で新設・拡大するトライアルセンターでは、従来の機能に加え、金型製造のリードタイム短縮への取り組みや、治具の試作・共通化、今後本格生産する複合ユニット製品の試作・検証などの機能を強化していく。
<新拠点概要>
竣工予定:2018年3月
設備投資額:5億円
建物概要:鉄筋コンクリート造地上3階建て、延べ床面積1,455m2(現拠点より73%増)
構成施設:広島営業所、トライアルセンター
所在地:広島県広島市安芸区船越南4-11-11
■樹脂・エレクトロニクス関連事業について
三谷産業グループでは、三谷産業M&E事業部、三谷産業ベトナム子会社ABCD社、ADMS社、FCV社(※)が協業し、主に車載向け樹脂成形品、電子部品ならびにそれらを組み合わせた複合ユニット製品を製造している。
ASEAN各国には多数の日系自動車メーカーが進出しており、製造コスト低減や生産効率の向上のため、現地調達率を高めることが求められている。三谷産業グループではベトナムの南北に有する3社4工場を生産拠点とし、品質・コスト・納期のすべての面で顧客ニーズに応える体制を構築している。さらに今年8月末にはADMS社の工場の増築が完工し、生産規模および業容の拡大を推進していく。
広島事業所は、量産拠点であるベトナム各社の生産準備拠点として、製品の品質向上や製造工程の改良ならびにベトナム人社員の研修・育成による技術力の強化に取り組んでいる。
<ベトナム子会社>
ABCD社:Aureole Business Components&Devices Inc.
ADMS社:Aureole unit-Device Manufacturing Service Inc.
FCV社:Fujitsu Computer Products of Vietnam,Inc.(2017年6月に子会社化)