ジェイテクト、旋回座軸受(直径7.7m)が国内最大のトンネル用シールド掘進機に採用される

 (株)ジェイテクトは8月9日、同社の旋回座軸受が、国内最大のトンネル用シールド掘進機のカッター回転部に採用されたと発表した。

 同社軸受が採用されたのは、東京外かく環状道路(関越道と東名高速を結ぶ16.2km)のトンネル工事に使われる掘進機(一部工区で使用予定)。カッターシールド直径16.1mと、1997年に開通した東京湾アクアラインの工事に使われたもの(直径約14m)を上回り、国内最大サイズとなる。この掘進機のカッター部品の一つとして使われる軸受の直径は約7.7mとこちらも国内最大級となる。

 掘進機が地盤を掘り進むのには、カッター部分が不可欠で、その回転を支える部品として使われる旋回座軸受は掘進機の性能を決める重要な要素。国内最大サイズ掘進機の旋回座軸受に求められるのは、

 1.国内最大級においても高精度な回転振れを確保:直径約7.7mのサイズであっても、0.1mm程度に回転振れ精度を抑え、安定した掘削性能を確保することが求められる。

2.長期間の工事を完遂できる高耐久性と信頼性:工事期間において部品の交換が困難であるため、故障なく、工事を完遂できる耐久性と信頼性が求められる。

3.分割設計でも確実に要求精度を出せる加工技術:道路幅が狭い日本の特殊事情でも運搬できるようにするため、分割で製作することが求められる。但し、分割設計とすることで、熱処理時の変形コントロールをはじめとして加工難度が一体型に比べ格段に上昇する。

 ジェイテクトの旋回座軸受は東京湾アクアライン工事に使用された掘進機をはじめ、大小様々な掘進機への採用実績が示す高い信頼性はもちろんのこと、分割設計を要する大形サイズの旋回座軸受を製造できる唯一の日系メーカー(※2017年8月現在・ジェイテクト調べ)として上記を満たすための技術力を十分に有すると認められた結果、今回の掘進機へ採用されることとなった。

 今後、鉄道向けや道路向けなど、日本におけるトンネル掘削需要の増加が見込まれる。同社軸受事業のブランド「Koyo」は「Key of your operation」を掲げる大形旋回座軸受のオンリーワンメーカーとして、さらに技術研鑽を進め、より良い商品開発を推進し、国内外のインフラ整備に貢献していくとしている。

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