■バンコクにマーケティング拠点も開設
(株)カネカは8月4日、東南アジア・インド地域での旺盛な需要に対応するとともにさらなる事業拡大を目指して、タイ王国ラヨン県ヘマラート・イースタン・シーボード工業団地にビーズ法発泡ポリオレフィン(*)(製品名:エペラン(R)、エペラン-PP(R))の生産設備新設を決定したと発表した。
グループ会社であるKaneka(Thailand)Co.,Ltd.が約20億円を投資し、年産3,000トンの生産設備を2018年9月に稼働させる予定。マレーシア(会社名:Kaneka Eperan Sdn. Bhd.)の既存設備とあわせて、同地域の生産能力は年産6,000トン超となる。
* エペラン(R)はビーズ法発泡ポリエチレン、エペラン-PP(R)はビーズ法発泡ポリプロピレンの製品名。耐熱性や耐衝撃性、耐薬品性に優れた特長を持つ。家電製品・精密機器の緩衝包装材等の他、バンパーコア材・シートコア材等の自動車部材にも幅広く用いられており、自動車の軽量化に貢献する素材。
東南アジア・インド地域のビーズ法発泡ポリオレフィン市場は、2020年には自動車の生産台数の伸長と軽量化ニーズの高まりにより自動車向け用途を中心に2015年比30%を超える成長が見込まれている。同社は自動車産業の集積地であり、ビーズ法発泡ポリオレフィンの同地域最大需要国であるタイに工場を新設することで、既存の日本・欧州・中国・マレーシアに加えてグローバルな供給体制を拡充し、事業拡大を加速させる。
また、新設備稼動に先がけて、今年10月にマーケティング拠点として、Kaneka(Thailand)Co.,Ltd.バンコクオフィス(仮称)を開設する。タイは自動車のみならず電機・電子製品、食品などの東南アジア最大の産業集積地であることに加え、近年ではバイオ医薬、医療、エネルギーをはじめとした高付加価値型産業の導入・育成を積極的に推進している。市場開発機能を強化し、タイでの当社事業の拡大を目指す。