プライメタルズ テクノロジーズは8月1日(ロンドン)、トルコの鉄鋼メーカーであるチェムタシュ社(Çelik Makina Sanayi ve Ticaret A.Ş. :Çemtaş、鉄鋼機械産業貿易有限会社の意、)より、トルコ北西部のブルサ市にある同社の棒鋼圧延設備の近代化工事を追加受注したと発表した。この近代化工事は2017 年第4 四半期に完工予定。
プライメタルズ テクノロジーズはチェムタシュ社より、2014 年初めに棒鋼圧延設備の近代化工事第1フェーズを受注しており2016 年10 月に最終検収書(FAC)を受領したが、今回のプロジェクトは近代化計画第2 フェーズの一環で、摺動型可逆式粗圧延スタンドと中間列圧延機を納入し、既設の仕上圧延設備の近代化も担当する。
設備は直径15 mm~100 mm の丸棒や、幅46 mm~140 mm、厚さ5.5 mm~ 62 mm の平鋼といった長尺製品を年間20 万トン製造できるよう設計されており、自動車産業や建設業など幅広い用途向けに、ばね鋼、高炭素/低炭素鋼、表面硬化用熱処理可能鋼種、HSLA 鋼(高強度低合金)、快削鋼、ボロンマイクロアロイ鋼、軸受鋼、ステンレス鋼といった鋼種が生産可能。
今回のプロジェクトでは分割せん断システムとハンドリングシステムを新設する予定で、新設の熱間分割せん断機によって生産ラインでは長尺の200 mm 角ビレットを加工原料として使用できるようになる一方、新設の砥石式丸鋸切断機によって切断できる棒鋼の列幅が拡大される。また、結束および梱包用のシステムを手動から自動運転に交換するなど、これらの近代化による既設システムの効率的利用で、生産能力の増大が実現される。
既存のせん断機は、高い切断能力を有する丸棒・平鋼用の新しい熱間分割せん断機に交換されるが、生産ラインで長尺の200 mm 角ビレットを加工原料として使用できるようになるため、再加熱炉の生産性が向上し、圧延製品の最終歩留が向上する。また、新設のせん断機は、切断作業ごとに始動・停止する直動式の駆動装置を備え、高い再現性のある切断精度を達成して歩留が向上するほか、シンプルな機構配置によってメンテナンスが低減され、サイクルタイムの短縮によって冷却床の長さ設定が容易になる。
新設の砥石式丸鋸切断機も丸棒・平鋼用に設計されています。既設のローラーテーブルは最大1000mm 幅まで棒鋼を並べられますが、既存の切断機は直径850 mm の丸鋸を使用しているため、実際に切断できるのは最大750 mm 幅までとなっています。新設の砥石式丸鋸は最大直径1,250mm を有しているため、ローラーテーブルの全幅を使用して最大1,000mm 幅まで並べられた棒鋼を一度に切断可能で、生産能力向上の課題となっていたポイントが解消される。
工場のホールA に設置された手動制御の第2 荷造り装置は、丸棒・平鋼用の自動結束・荷造り装置と交換される。この装置で荷造りされた製品は、自動スタッカーの下流にある水平・垂直ローラーテーブルにより、2 基の自動ストラッピング機と1 基のワイヤー結束機を備えた結束作業エリアに搬送される。このスタッキングシステムは平鋼も扱うことができるため、きちんとした荷姿に規則正しく積み上げられることにより、容易で迅速な保管とハンドリング操作が可能。
プライメタルズ テクノロジーズは、主機及び補助用の駆動機構とモーター、ベーシックオートメーション(レベル1)、既設の圧延機オートメーションとのインターフェイス、新設機器用メカトロニクスのパッケージの納入に加えて、プロセス機器一式のエンジニアリングと納入機器の設計を担当し、さらに建設、操業開始、試運転、トレーニングに関する助言サービスも担当する。
プライメタルズ テクノロジーズはさらに現在、ブルサ工場の電極式電気炉の近代化工事も実施中で、溶融時間の短縮により、電極、電気、酸素、炭素の消費量が削減される。