JFEエンジニアリングは6月12日、マニラッド水道サービス会社(本社:マニラ首都圏ケソン市)より、マニラ首都圏ケソン市において同国最大のラメサ第1浄水場の更新工事を競争入札を経て受注したと発表した。フィリピンの建設会社であるサンタ・クララ社(本社:マニラ首都圏マンダルヨン市)との共同企業体で、2020年に施設を完成し、引渡しする予定。JFEエンジニアリングの同国における上下水道プラントの実績は、下水処理場を含め今回の受注で30件目となる。
現在マニラ首都圏では、マニラッド社が西側の全域で上下水道事業を運営してる。上水事業では台風・豪雨時におけるダム湖を水源とする原水の急激な濁度上昇などの課題に直面しており、地域住民へ安全な水を安定的に供給するため、今回ラメサ浄水場の更新を決定した。
浄水場は日量150万m3(約600万人分)を処理するフィリピン国最大の浄水場。今回の工事により、沈澱池に傾斜管・汚泥掻寄機等の導入と、汚泥処理施設(濃縮・脱水)の新設を行い、浄水能力の強化とオペレーションの効率化を図る。
また、凝集沈殿池・ろ過池の躯体、および運転管理棟を全面補修し、耐震性を強化する。これにより濁度上昇時でも安定供給を実現する、世界有数の耐震性に優れた大規模浄水場に生まれ変わる。さらに太陽光発電システムを導入し、電源の一部を再生可能エネルギーで賄う。
今回のプロジェクトは既設浄水場の運転を継続しながら設備の更新を行うもの。そのためには、現状の浄水処理プロセスを分析し、綿密なシミュレーションによる工事計画が不可欠。JFEエンジニアリングは日本最大の規模を誇る村野浄水場で同様の経験を有している。これに加え、マニラ首都圏で数多くの下水処理施設の工事実績を有しており、こうした現地での実績が高い評価を受け、今回の受注に至った。
JFEエンジニアリングは、今回の受注を機に、都市化が進み上下水道プラントニーズが高まる東南アジアの大都市に、プラント建設の提案を一層推進するとともに、事業への出資も視野に入れ、同地域のインフラ整備に貢献していく。