横河電機、マレーシアの大型プロジェクトRAPIDの石油貯蔵施設向けアナライザハウスを受注

◼️プロセス分析システムのシステムインテグレータビジネス拡大に弾み

横河電機は5月11日、関係会社であるヨコガワ・コントロール・マレーシアが、マレーシアの大型石油精製・石油化学統合プロジェクトRAPIDの石油貯蔵施設向けプロセス分析システムのシステムインテグレータ(SI)業務と高度ソリューションをEPCC(設計・調達・工事・試運転担当会社)として受注したと発表した。

RAPIDプロジェクトは、マレーシア国営ペトロナスが同国南部ジョホール州で進めている、同社最大のペンゲラン総合コンビナート(PIC)開発の一環で、世界有数の大型プロジェクト。日量30万バレルの精製能力をもつ製油所と、エチレン、プロプレン、およびC4~C6オレフィン製品を合計で年間約350万トン生産する石油化学プラント群で構成される。

2014年、ヨコガワ・コントロール・マレーシアは、RAPIDプロジェクトの制御担当会社(Main Automation Contractor:MAC)に選定された。その後、FEEDを経て、製油所、ナフサクラッカー、石油化学プラント群向けの統合生産制御システム「CENTUM(R) VP(センタム・ブイピー)」や安全計装システム「ProSafe(R)-RS(プロセーフ・アールエス)」を受注した。今回さらに、石油貯蔵施設に貯蔵されているガソリン、軽油、灯油などの製品品質を管理するためのプロセス分析計とサンプリング装置から成る分析システム、さらにそれらを収納するアナライザハウスの構築を中心としたプロジェクトをEPCCとしてペトロナスから受注した。このプロジェクトでYOKOGAWAは、アナライザハウス1棟に加え、タンク内貯蔵製品の性状推定、製品のブレンド性状制御、およびパイプラインの特定箇所における製品種類の履歴管理を行う高度ソリューションの設計、エンジニアリング、調達、据付工事、試運転を行う。2018年8月までに工事を完了し、同年9月から試運転を開始、2019年の操業開始が予定されている。

石油、石油化学、天然ガスなどのプラントでは、品質管理や環境保護の目的で各種プロセス分析計が使用されている。プロセス分析計とサンプリング装置及びそれらを収納するアナライザハウスの構築には、ガス分析計や液分析計に関する高度な専門知識と、サンプリング装置に関する据付工事のノウハウが必要。1997年、YOKOGAWAは、プロセス分析システムのSIとして30年以上の経験を持つ米国メジャメンテーション社に出資し、このビジネスに本格参入した。1998年、シンガポールにプロセス分析システムのエンジニアリングと組み立て専門の組織を設置、2014年4月、このビジネスに関するグローバル本社機能を持った高度アナライザーセンター(現 アナライザーSIセンター)を発足してグローバル体制を強化した。同年6月には、マレーシアにプロセス分析システムの組み立てとアナライザハウスの構築を行うヨコガワ・アナリティカル・ソリューションズを設立した。これまでの実績を通して高めてきたエンジニアリング能力が認められ、今回、プロセス分析システムのSI業務をEPCCとして初めて受注することができたとしている。

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