日本ガイシ、製造子会社のNGKセラミックデバイス石川工場が操業を開始

■NOxセンサーの基幹部品の生産能力を増強

日本ガイシは5月9日、製造子会社NGKセラミックデバイス株式会社の石川工場(石川県能美市)の操業開始式を行い、本格操業を開始すると発表した。自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度を測定する車載用高精度NOxセンサーの基幹部品の生産能力を増強し、需要の拡大に対応する。

NGKセラミックデバイス石川工場で生産するのは、NOxセンサーの心臓部にあたるセラミック製の素子。日本ガイシは現在、NOxセンサーの素子を同社の小牧工場(愛知県小牧市)で生産している。素子は基幹部品のため国内で生産する方針であり、BCP(事業継続計画)の観点から自然災害など不測の事態に備えて生産拠点を分散し安定供給を図るため、石川県に素子工場を新設した。設備投資額は約96億円、年間生産能力は約700万本で、2017年4月から生産を開始した。

NGKセラミックデバイスは独自のセラミック製造技術を駆使し、電子部品を製造している子会社。微細で高度な技術が要求される電子部品製造で培った、マイクロメートル単位の高精度を誇るジルコニアテープ成形やスクリーン印刷の技術を用いて、NOxセンサーの素子を生産している。

NOxセンサーは自動車の排気管に装着され、排ガスに含まれるNOx濃度をppm(100万分の1)レベルの高精度でリアルタイムに測定し、排ガス浄化装置の制御や故障診断に使用される。世界的なディーゼル車の排ガス規制強化や欧州の新規制に対応して搭載車数や搭載本数が増加し、需要が拡大している。NGKセラミックデバイス石川工場の操業によって、日本ガイシのNOxセンサーの年間生産能力を従来の1,000万本超から約1,800万本に増強した。

<NGKセラミックデバイス石川工場の概要>
・所在地:石川県能美市能美一丁目1番地(日本ガイシ石川工場敷地内)
・敷地面積:約32,100平方メートル
・延床面積:約20,400平方メートル
・生産品目:NOxセンサー用素子
・生産能力:約700万本/年
・投資額:約96億円
・着工:2015年9月
・生産開始:2017年4月
・従業員数:生産開始時 約120人(フル生産時 約160人)

<NGKセラミックデバイス株式会社の概要>

・本社所在地:愛知県小牧市大字下末字五反田434番地の3
・代表者:代表取締役社長 大原実
・事業内容:電子工業用セラミックスの製造
・資本金:9,000万円(日本ガイシ100%出資)
・設立年月:1994年8月
・従業員数:640人(2017年3月現在)
・工場:愛知県小牧市、山梨県都留市、石川県能美市

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