JX金属は3月27日、「JX金属」)は、倉見工場(神奈川県高座郡)に時効処理炉を増設し、コルソン合金の生産能力を増強すると発表した。
コルソン合金はニッケルおよびシリコンを添加した銅合金で、高い強度と導電性を兼ね備えており、近年では主にスマートフォン、タブレット端末等の情報通信機器の材料として急速に採用が進んでいる。これらモバイル機器に加え、電子機器全般の高性能化、社会のIoT(Internet of Things、「モノのインターネット」)化に伴い、データ通信量が飛躍的に増大し、サーバーをはじめとした電子機器は今後も増加していくことが予想されている。これにより、電子機器に搭載されるコネクタに使用されるコルソン合金の需要はますます拡大していくことから、この状況に対応するため、生産能力増強のための設備投資を実施することにした。
今回導入する時効処理炉(1基)は、コルソン合金を一定温度で長時間加熱し、強度および導電性を向上させる処理を行う設備で、既存の設備に比べ高い生産性を有している。
倉見工場では、今般の時効処理炉の増設に加え、高機能箔製品の生産能力増強を目的として、新型仕上げ圧延機が2017年度下期に本操業に移行する予定。JX金属では、今後も需要拡大が見込まれる製品の生産能力の増強を図るとともに、BCP(事業継続計画)の観点からもJX金属製品の安定供給を継続していく。
<倉見工場の概要・時効処理炉の導入スケジュール>
名称:JX金属株式会社 倉見工場
所在地:神奈川県高座郡寒川町倉見3
設立:1964年
事業内容:精密圧延製品の製造
新設備の導入スケジュール:時効処理炉設備(1基)、試運転:2017年度第4四半期、本操業移行:2018年度上期