・2025年度は2兆9,117億円(前年度比1%減)、2年連続の減少
日本建設機械工業会は2月17日 、会員アンケートをベースとした建設機械出荷金額の需要予測結果(第69回)を発表した。2025年度については、国内が減少する一方で輸出が回復し、通年の出荷金額は2兆9,117億円(前年度比1%減)と、全体では2年連続の減少となる見通し。2026年度は、国内は横ばいながら輸出が増加し、通年で2兆9,345億円(前年度比1%増)と、3年振りに増加へ転じると予測している。
なお、補給部品(直近5年平均:約3,879億円)を加算した総出荷額は、25年度予測が3兆2,996億円(前年度比2.8%減)、26年度予測が3兆3,224億円(同0.7%増)とされている。
<国内>
2025年度は、金利上昇への懸念などを背景に設備投資意欲が低下し、主力の油圧ショベルや建設用クレーンなど8機種が減少すると見込まれる。
上期は、コンクリート機械を除く8機種が減少し、4,042億円(前年同期比9%減)となった。下期は、道路機械が増加するものの、他の8機種が減少し、4,483億円(前年同期比5%減)と見込まれる。
この結果、2025年度通年では8,525億円(前年度比7%減)となり、2年連続の減少となる見通し。前回(2025年8月時点)予測からは246億円の下方修正となった。
2026年度は、安定した公共投資等に支えられ、横ばい圏で推移すると予測。
上期は4機種が増加もしくは横ばいとなり、4,039億円(前年同期比0%)。下期も6機種が増加もしくは横ばいとなり、4,477億円(前年同期比0%)を見込む。
この結果、2026年度通年では8,516億円(前年度比0%)と予測。前回(2025年8月時点)予測からは297億円の下方修正となった。
<輸出>
2025年度は、石炭価格低迷の影響を受けたアジア向けが減少するものの、景況感が改善した欧州向けが回復し、全体では増加に転じる見通し。
上期は7機種が減少したが、主力の油圧ショベルが前年同期比21%増加するなど2機種が増加し、1兆541億円(前年同期比3%増)となった。下期は、ミニショベルが同6%増加するなど5機種が増加もしくは横ばいとなる一方、4機種が減少し、1兆51億円(前年同期比0%)と見込まれる。
この結果、2025年度通年では2兆592億円(前年度比2%増)となり、2年振りに増加すると予測。前回予測からは875億円の上方修正となった。
2026年度は、ミニショベルなど7機種が増加もしくは横ばいとなり、微増を見込む。
上期は7機種が増加もしくは横ばいで、1兆583億円(前年同期比0%)。下期も7機種が増加もしくは横ばいとなり、1兆246億円(前年同期比2%増)を予測。
この結果、2026年度通年では2兆829億円(前年度比1%増)となる見通しで、前回予測からは1,185億円の上方修正となった。
<生産・出荷台数ベース>
①油圧ショベル
25年度は、生産は国内が「増加」、海外は「減少」。出荷は国内が「減少」、海外は「増加」。26年度は、国内・海外とも生産及び出荷の双方が「増加」。
②ミニショベル
25年度は、生産は国内が「減少」、海外は「増加」。出荷は国内、海外とも「減少」。26年度は、国内・海外とも生産及び出荷の双方が「増加」。


油圧ショベル及びミニショベル出荷台数の2025年度・2026年度予測
■会員の見方(国内需要予測の背景)
①公共投資:25年度、26年度ともに「横這い」の見方が多いが、26年度は「増加」の見方が大きく増える。
②民間設備投資:25、26年度ともに「横い」の見方が大勢を占めるも、26年度は「増加」の見方が増える。
③住宅投資:25、26年度ともに「横這い」の見方が大勢を占めるも、26年度から「増加」の見方が増える。
■会員の見方(海外需要の背景)
①北米市場の動向:25年度は「横通い」の見方が多いが、26年度は「減少」の見方が減り、「増加」の見方が大きく増える。
②欧州市場の動向 :25、26年度ともに「横這い」の見方が6割を占めるが、26年度は「減少」の見方が減り、「増加」の見方が大きく増える。
③中国を除き、オセアニアを含むアジア市場の動向:25年度は「横這い」の見方が6割を占めるが、26年度は「横い」の見方が減り、「減少」の見方がわずかに増え、「増加」の見方は大きく増える。
④中国市場の動向: 25、26年度とも「減少」の見方が6割も、26年度は「増加」の見方がやや増える。
■需要予測に影響を与える要因①
・需要予測にpositiveな影響を与える要因としては、国内は公共投資、民間設備投資や為替動向、海外は公共投資、為替動向の他に、民間設備投資の影響を挙げる答が多かった。
・一方、negativeな影響を与える要因としては、国内は、資源価格状況や鋼材価格状況、物流費状況の答が多く、海外は、各国通商政策の動向や為替動向、ロシア・ウクライナ問題の影響を挙げる答が多かった。
国内市場:Positive要因/Negative要因
①公共投資(128)②民間設備投資(97)③為替動向(27)/①資源価格動向(62)②鋼材価格動向(45)③物流費状況(43)
海外市場:Positive要因/Negative要因
① 公共投資(67)②為替状況(66)③民間設備投資(49)/①各国通商政策の動向(93)②為替動向(36)③ロシア・ウクライナ問題(34)
・今後の市況に影響があると思われる要因として、国内・海外それぞれ以下の14項目のうち、3つまで優先順位をつけて回答。
1.公共投資、2.民間設備投資、3.為替動向、4.各国中央銀行の金利動向、5.各国通商政策の動向、6.ロシア・ウクライナ問題、7.中東における紛争問題、8. コンテナ状況、9.部品・部材状況、10.資源価格状況、11.物流費状況、12.鋼材価格状況、13.販売店在庫状況、14.その他
・ ()内の点数は、影響があると思われる順に①、②、③とし、①を3点、②を2点、③を1点として算出。
■会員の見方:需要予測に影響を与える要因②
米国・トランプ新政権のおける、日本からの輸出・需要に対する影響については、
【主な回答理由】

① 増加:4%
・米中関係の悪化による日本メーカとの取引増大。
・公共工事に伴う需要増加の期待。
② 現状と同等:54%
・関税引き上げによる影響はあるが、①政府によるインフラ整備計画の進展、②政策金利引き下げによる底堅い住宅需要、③データセンター投資等の旺盛な建設案件等により影響が相殺。
③ 減少:42%
・輸入製品価格上昇に伴う輸出額・台数の減少。
・製造原価上昇による購買意欲の低下。
・買い替えサイクルの長期化。
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今回の需要予測は、日本建設機械工業会(山本 明会長:コベルコ建機社長)が2026年1月時点で正会員60社を対象に実施したアンケート調査を取りまとめたもの。予測期間は2025年度下期および2026年度上下期の3期で、建設機械を9機種に区分し、国内出荷金額および輸出金額を調査した。今回で69回目の調査となる。
詳細は、日本建設機械工業会HP参照(会長記者会見資料)
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