JX金属、生成AI需要でInP基板投資を加速、 磯原工場(茨城県北茨城市)に200億円追加投資

JX金属(東京都港区)は2月10日、光通信向け結晶材料であるインジウムリン(InP)基板の生産能力をさらに強化するため、約200億円の設備投資を実施すると発表した。同社は昨年7月と10月にも同様の設備投資を決定しており、今回で3度目の増強となる。

今回の投資は、従来品の能力増強に加え、光電融合技術の進化に対応した基板大型化のニーズにも応える体制を構築する。

生成AIの急速な進化を背景に、ハイパースケールデータセンターの建設が世界的に加速している。これに伴い、データ伝送量が急増する一方で消費電力の増加が課題となっており、より高速かつ大容量のデータ伝送が可能で、消費電力の低減にも寄与する光通信への移行が加速している。

InPは電気信号と光信号を相互に変換できる特性を持ち、光通信の受発光素子をはじめ、ウェアラブル端末の近接センサや産業用イメージセンサなど、幅広い分野で用いられる高機能デバイスの製造に不可欠な先端材料だ。特にデータセンター内のラック間・ラック内といった近距離向けにも光通信の適用が拡大しており、光トランシーバーの需要が急速に高まっている。

さらに、次世代の情報通信基盤技術として開発が進められている光電融合技術においてもInPの採用が見込まれており、ボード内、チップ間、さらにはチップ内での活用が期待されている。

同社は、生成AIの進化が今後も継続すると予想される中、InP基板の中長期的な需要急伸に対応できる生産体制の構築が急務であると判断し、追加投資を決断した。​​​​​​​​​​​​​​​​

<投資計画の概要>
∙ 投資先:磯原工場(茨城県北茨城市華川町臼場187-4)
∙ 投資内容:InP基板の製造設備一式を増強
∙ 投資額:約200億円
∙ 生産能力:2030年時点で2025年比約3倍(過去2回の設備投資増加分と合わせて)
∙ 稼働開始:2027年度より段階的に稼働予定
∙ 業績影響:2026年3月期連結業績への影響は軽微

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