荏原製作所、2035年に向け長期ビジョン策定、売上2兆円超、営業利益率20%目指す

荏原製作所は2月13日、2035年に向けた長期ビジョン「E-Vision2035」と、2026年度を初年度とする3か年の中期経営計画「E-Plan2028」を策定したと発表した。

■グローバルエクセレントカンパニーへの進化

長期ビジョンでは「グローバルエクセレントカンパニーとして、持続可能な社会の実現に欠かせない企業」を目指す姿として掲げた。スローガンは「Essential EBARA. Everywhere.」とし、水、空気、エネルギー、半導体など人々の暮らしに不可欠な領域で、世界のあらゆる場所で挑戦を続ける姿勢を示した。

2035年の経済価値目標として、売上収益2兆円以上、営業利益率20%以上、ROIC20%以上、ROE25%以上を設定。時価総額は6兆円規模を目指す。2025年12月期実績の売上収益9,582億円、営業利益率11.9%から大幅な成長を見込む。

■事業ポートフォリオの再編

事業ポートフォリオは「グローバルビジネスセグメント」と「日本起点ビジネスセグメント」に再編。グローバルビジネスでは、精密・電子、エネルギー、建築・産業の3事業を成長の柱と位置付けた。

精密・電子事業では、AI社会の進展に伴う半導体需要の拡大に対応。CMP装置、ドライ真空ポンプなどの主力製品でシェア拡大を図るとともに、7Å世代の先端半導体製造技術への対応を進める。2028年度には売上収益で2025年度比約1.5倍の成長を目指し、営業利益率20%以上、ROIC25%以上を目標とする。

エネルギー事業では、脱炭素社会の実現に向けたエネルギートランジションをリード。LNGを中心とした既存市場での地位確立に加え、水素・アンモニア・CCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)など新領域への製品投入を加速する。売上CAGRは8%以上、営業利益率14.5%以上、ROIC15%以上を目標に掲げた。
建築・産業事業では、IoT技術を活用した省エネ・省人化ソリューションの提供を強化。データセンター向け冷熱機器など成長市場での事業拡大を図る。遠隔監視サービス「EBARAメンテナンスクラウド」への接続機器台数を3年間で年率75%成長させる計画。

■中期経営計画の基本方針

中期経営計画「E-Plan2028」では「全体最適を通じた持続的価値創造の実現」をテーマに、5つの基本方針を設定した。グループ経営基盤の拡充、過去の投資成果の刈取りと将来への成長投資の両立、事業セグメント特性に応じた戦略実行、人的資本経営の確立、顧客起点での新たな価値創出を掲げる。

2028年度の財務目標は、売上収益1.2兆円規模、営業利益率14.5%以上、ROIC13%以上、ROE18%以上とした。

キャッシュアロケーションでは、3年間累計で営業キャッシュフロー4,000億円を創出し、成長投資2,600億円(うち研究開発費800億円)、基盤投資600億円を実施。株主還元は配当性向35%以上を維持しつつ、3年累計フリーキャッシュフロー100%以上の株主還元を行う方針。

■グローバル経営基盤の強化

成長投資では、精密・電子事業の生産能力増強に重点配分。藤沢工場での装置系開発棟稼働や熊本工場での生産能力増強、台湾でのコンポーネント製品生産能力増強などを計画する。

エネルギー事業では、米国ジュネット工場の大規模改修を完了し、世界最大級の大型回転機器試験能力を確立。2026年下期には千葉県富津市に水素向け商用製品試験・開発センターを竣工予定だ。
サービス拠点網も拡充する。サウジアラビア、UAE、インドネシアでの拠点新設・拡充により、グローバルなアフターサービス体制を強化。遠隔監視・予知保全など、DXを活用した顧客価値の最大化を推進する。

■社会・環境価値の提供

社会・環境価値の提供では、2028年までに当社製品・サービスによるGHG削減量6,500万トン(CO2換算、2023~2028年累計)を目標に設定。気候変動対策では、インフラ事業で浸水回避換算流域面積約7,800ヘクタール(東京都23区の約13%に相当)の水害リスク低減に貢献する。

環境事業では、廃棄物の油化技術「ICFG」の社会実装を進め、循環型社会の実現に寄与。建築・産業事業では、遠隔監視サービスにより世界8億人への水供給を支援する計画。

人的資本経営では、キャリアオーナーシップを持つ人財の育成を推進。グローバルエンゲージメントサーベイスコア85、Global Key Position(重要ポジション)における女性比率11%、国籍多様性でグローバル企業として遜色ない水準を目指す。

同社は「Essential EBARA. Everywhere.」のスローガンのもと、世界中の社会課題解決に貢献し、持続可能な社会の実現に欠かせない企業への進化を目指す。​​​​​​​​​​​​​​​​

荏原製作所の長期ビジョン