ワッカーノイソン、2025年暫定決算を発表、26年は増収増益を見込む

ワッカーノイソン・グループ(Wacker Neuson Group):2026年2月10日

軽・小型建機メーカーのワッカーノイソン・グループは2月10日、2025年12月期の暫定決算を発表した。売上高は約22億1,900万ユーロと計画通りの水準を確保。第4四半期に一過性費用が発生した影響でEBIT(利払前・税引前利益)率は6.0%となったが、一過性要因を除けば6.5%とガイダンス下限を確保した。2026年は市場の緩やかな回復を背景に増収と収益性改善を見込む。

■ 2025年業績概要

2025年の連結売上高は22億1,900万ユーロ(前期:22億3,500万ユーロ)で、同社が公表していたガイダンス(21億5,000万~22億5,000万ユーロ)のレンジ中間に着地した。

EBITは約1億3,200万ユーロ(同:1億2,300万ユーロ)で、EBIT率は6.0%(同:5.5%)。ただし、第4四半期に発生した一過性費用の影響により、直近ガイダンス(6.5~6.8%)を下回った。一過性費用の主な内容は、斗山ボブキャット(Doosan Bobcat Inc.)との公開買収協議に関連する法務・コンサル費用、株価変動に伴うバーチャル・ストックオプション制度の追加引当、短期・長期資産の減損処理など。これらを除いた場合のEBITは約1億4,400万ユーロ、EBIT率は6.5%となる見込み。

市場環境は2024年に続き年初は低調だったが、年後半にかけて収益性と営業効率は改善した。

■ OEM協業と展示会が追い風

戦略面では、米ジョンディア(John Deere)とのOEM協業に基づき、オーストリア・リンツ工場で初の油圧ショベル生産を開始。これにより北米市場での事業基盤と競争力を強化した。

また、2025年4月の「バウマ(Bauma)」、11月の「アグリテクニカ(Agritechnica)」といった主要展示会では、ゼロエミッション機やデジタルサービスなどを披露し、技術力と製品群の広がりをアピールした。

2025年夏以降に強化された米国の対欧州機械・部品関税については、調達・生産・物流面での短期的な対応により影響を抑制したとしている。

■ 財務体質を改善

ネット・ワーキング・キャピタルは6億4,700万ユーロ(2024年末:7億93百万ユーロ)に減少。棚卸資産の削減や買掛金の増加により圧縮が進み、売上高比率は29.2%と、目標上限の30%および従来ガイダンスの34%を下回った。

この改善により、フリーキャッシュフローは2億200万ユーロ(同:1億8,460万ユーロ)に増加。設備投資は6,700万ユーロ(同:1億260万ユーロ)と、計画の約8,000万ユーロを下回った。市場回復が想定より緩やかだったことを踏まえ、投資を抑制した。

■ 2026年は市場の緩やかな回復を想定

2026年の世界市場は、地政学リスクや経済不透明感が残るものの、停滞・調整局面を経て緩やかな回復が見込まれると分析。欧州のインフラ投資や近代化プログラム、関税継続下でも底堅い北米需要が追い風になるとみる。

同社は2026年に「緩やかな増収」と「EBIT率の改善」を計画し、「ストラテジー2030」に基づく収益性向上と長期的価値創造を推進する。

カール・トラグルCEO(Dr. Karl Tragl)は「2024年の厳しい環境を経て、2025年は収益性を改善し、リンツでのショベル生産立ち上げを成功させた。斗山ボブキャットとの公開買収協議終了後も、長期的な収益成長に引き続き注力する」とコメントした。

なお、2025年通期の確定決算および2026年業績ガイダンスは3月26日に公表予定。

■ 会社概要

ワッカーノイソン・グループ(Wacker Neuson Group)は、世界約6,000人を擁する軽・小型建機の大手メーカー。建設、造園、農業、自治体、リサイクル、鉄道分野などを主要市場とする。傘下ブランドはワッカーノイソン(Wacker Neuson)、クラマー(Kramer)、ワイデマン(Weidemann)、エナー(Enar)。フランクフルト証券取引所プライム・スタンダード市場に上場し、SDAX構成銘柄。

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