カミンズ(Cummins Inc.):2026年2月5日
・電解装置事業の戦略見直しに伴う一時費用計上も、データセンター向け電源が成長を下支え
カミンズは2月5日、2025年通期および第4四半期(10~12月)の決算を発表した。北米トラック市場の低迷が続く中でも、配給(ディストリビューション)およびパワーシステム部門がデータセンター向け非常用電源需要を背景に好調に推移。第4四半期および通期ともに堅調な業績を確保した。一方、水素関連の成長事業として位置付けてきたアクセレラ(Accelera)部門の電解装置(エレクトロライザー)事業については、戦略的見直しに伴う一時費用を計上した。
■25年通期・第4四半期の業績概要
2025年通期の売上高は337億ドル(約5兆2,900億円、157円換算)で、前年から1%減少した。北米売上は3%減となった一方、海外売上は2%増加した。GAAPベースの純利益は28億ドルで、売上高利益率は8.4%。EBITDAは54億ドルで、売上高比16.0%となった。電解装置事業に関連する費用として、通期で4億5,800万ドル(1株当たり3.28ドル)を計上しており、その大半は非資金費用である。
第4四半期の売上高は85億ドルで、前年同期比1%増。北米は2%減となったが、海外が5%増と補った。純利益は5億9,300万ドル(1株当たり4.27ドル)と、前年同期(4億1,800万ドル)を上回った。EBITDAは12億ドルで、売上高比13.5%と改善した。
■電解装置事業の戦略見直し
第4四半期には、アクセレラ部門に含まれる電解装置事業の戦略的見直しに伴い、2億1,800万ドルの一時費用を計上した。ジェニファー・ラムジー(Jennifer Rumsey)会長兼CEOは、「水素導入に対する市場期待の変化を受け、事業運営の効率化とコスト削減を目的とした判断だ」と説明。「長期的な需要見通しを踏まえ、最も有望な脱炭素投資に集中する」との方針を示した。
■セグメント別動向(第4四半期)
エンジン部門は売上高26億ドル(前年比4%減)。米国およびメキシコでの中・大型トラック需要低迷が響いた。
コンポーネント部門は24億ドル(同7%減)と減収。北米は大幅減となったが、欧州・中国向けが下支えした。
ディストリビューション部門は33億ドル(同7%増)と好調で、データセンター向け電源製品の需要拡大が寄与した。
パワーシステム部門は19億ドル(同11%増)で、北米、中国、アジア太平洋地域のデータセンター需要が成長を牽引した。
アクセレラ部門は売上高1億3,100万ドル(同31%増)となったものの、電解装置関連費用の影響でEBITDAは赤字となった。
■2026年の見通し
2026年通期の売上高は前年比3~8%増、EBITDAは売上高比17~18%を見込む。北米のオンハイウェイ・トラック市場は年後半にかけて改善を予想するほか、データセンター向け電源需要の堅調さが続くとみている。引き続き、営業キャッシュフローの50%を株主還元に充てる長期方針を維持する。
■技術・事業トピックス
2025年には新世代エンジン「B7.2」「X10」を発表し、既存の「X15」と合わせたカミンズ・ヘルム(Cummins HELM™)プラットフォームを強化。さらに、鉱山・鉄道向けハイブリッド改修技術を手がけるファースト・モード(First Mode)の資産を取得し、脱炭素ソリューションを拡充した。
ラムジーCEOは「不透明な市場環境下でも、分散した事業ポートフォリオと規律あるコスト管理により、持続的な成長基盤を築いている」と述べ、エネルギー転換を支える戦略「デスティネーション・ゼロ(Destination Zero)」を今後も推進する考えを示した。
■会社概要
カミンズ(Cummins Inc.)は1919年創業の世界有数のパワーソリューションメーカー。ディーゼルおよび代替燃料エンジン、電動・ハイブリッドパワートレイン、発電システム、排ガス後処理装置、ターボチャージャー、燃料系・制御系部品、トランスミッション、アクスル、ブレーキなど幅広い製品群を展開する。事業はエンジン、コンポーネント、ディストリビューション、パワーシステム、アクセレラ・バイ・カミンズ(Accelera™ by Cummins)の5部門で構成。近年は電動化や水素関連技術、電解装置などゼロエミッション分野への投資を強化し、「デスティネーション・ゼロ(Destination Zero)」戦略のもとエネルギー転換への対応を進めている。本社は米インディアナ州コロンバス(Columbus, Indiana)に所在し、世界約70,000人を雇用。2024年の売上高は341億ドル、純利益は39億ドル。
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