・プレシジョン・プランティングが種子配向制御システム「アローチューブ」を発表
AGCO:2026年1月21日
AGCOは1月21日、米イリノイ州トレモントの本社で開催中の「PTxウインターカンファレンス2026」において、傘下のプレシジョン・プランティング(Precision Planting)ブランドを通じ、播種および防除分野の新製品を発表した。会期は1月23日まで。
同カンファレンスは、プレシジョン・プランティング(Precision Planting)とPTxトリンブル(PTx Trimble)を擁するPTxが主催し、最新の農学研究、デジタル技術、経済分析などを紹介する年次イベント。2026年は、23年の歴史を持つプレシジョン・プランティング・ウインターカンファレンスの流れを継承しつつ、PTxトリンブルを加えた形で開催されている。
PTxのマーケティングディレクター、ブライス・ベーカー(Bryce Baker)氏は「農家に最新の試験結果や技術研究を提供し、現場に持ち帰って活用できる知見を届けることが本会議の目的だ。今年は24年目の節目としてPTxトリンブルを加えた」と述べた。
■種子配向を制御する新播種システム「アローチューブ」
注目製品の一つが、プレシジョン・プランティング・アローチューブ(Precision Planting ArrowTube)である。高速播種時でも正確な株間を確保するとともに、トウモロコシ種子を「先端を下」に配向させ、均一な発芽と出芽を促進する。さらに胚の向きを横方向に揃えることで、葉が畝と直交する方向に展開し、受光効率の最大化を図る。
種子はシードメーターから播種溝に至るまでの過程で加速と摩擦を制御され、専用ナイフで形成された細いサブファローに正しい向きで配置される。この結果、収量ポテンシャルの向上、キャノピーの早期形成、高速作業時の適正株間、そして極めて均一な出芽を実現するとしている。
■既存噴霧機を高度化する「シンフォニービジョン・デュオ」
防除分野では、既存噴霧機に後付け可能なプレシジョン・プランティング・シンフォニービジョン・デュオ(Precision Planting SymphonyVision | Duo)を紹介した。カメラ、濃縮薬剤タンク、2系統ノズルを組み合わせ、主タンクの薬液を全面散布しながら、雑草を検知した箇所のみ接触型除草剤をスポット散布する仕組みだ。
2つのシンフォニーノズル(SymphonyNozzle)を用い、主タンク容量を最大限に活用できる点が特長で、面積課金が不要な点も訴求している。
■圃場周縁の雑草対策「スモークロウ」
2025年末に投入された防除技術、プレシジョン・プランティング・スモークロウ(Precision Planting SmokeRow)も実演された。ブーム端部に追加したノズルにより、圃場周縁や水路、法面などブーム外側まで薬剤を噴霧。周辺雑草の種子供給源化を防ぎ、翌年以降の防除負担軽減につなげる。副タンクから異なる薬液を供給できる点も特徴だ。
■自動化ソリューション「アウトラン」を強調
会場では、PTxトリンブル・アウトラン(PTx Trimble OutRun)自動運転システムも紹介された。PTxの戦略マーケティングマネージャー、マイク・シュリット(Mike Schlitt)氏は「作業の適期はすべての圃場作業で重要だ。収穫直後の秋耕は残渣分解や春の養分供給に有利」と指摘。「自動化は最適な農学的ウインドウを逃さず作業を完了する手段になる」と述べた。
アウトランは2026年秋に耕起作業向けとして投入予定で、自動穀物運搬(グレインカート)への対応も計画している。
■業界関係者5,000人が参加見込み
PTxウインターカンファレンス2026は、トレモント本会場のほか米国・カナダの一部リモート会場でも開催され、PTxの専門家が農業経営改善に向けた知見を共有する。主催者によると、来場者数は約5,000人を見込んでいる。
■AGCOについて
AGCOは、農業機械および精密農業技術の設計・製造・販売を手掛ける世界的企業。フェント(Fendt)、マッセイ・ファーガソン(Massey Ferguson)、PTx、ヴァルトラ(Valtra)などのブランドを展開する。1990年設立、米ジョージア州ダルース本社。2024年の売上高は約117億ドル。
■PTxについて
PTxはAGCOの技術部門。プレシジョン・プランティング(Precision Planting)とPTxトリンブル(PTx Trimble)の2ブランドを通じ、ブランド横断で利用可能な精密農業ソリューションを提供している。
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