SCSK(東京都江東区)は1月23日、フィジカルAI(Physical AI)分野の取り組みを強化すると発表した。今年1月1日付で、2024年12月に設立されたAIロボット協会(AIRoA)に参画し、次世代ロボットの基盤技術開発や現場実装に向けた検証を開始した。
同社は技術戦略「技術ビジョン2030」において「AI/データ活用」を注力領域の一つに位置づけており、今回の参画により、これまで培ってきたAI技術をロボット制御に応用・拡張する。製造や物流、インフラ点検といった各種現場における人材不足などの課題解決を目指す。
■不確実性への対応が課題
製造・物流現場では、従来の定型的なロボット制御では対応困難な「不確実性」が存在する。天候による環境変化、形状が一定でない物体のハンドリング、照明の反射や明るさの変化など、デジタルデータとして定義しにくい要素が自動化の障壁となってきた。
具体例として、物流現場における変形した梱包箱の認識や、製造現場における照明条件の変化への対応などが挙げられる。こうした課題に対し、同社はAIエージェント技術やデータ分析の知見をロボット制御に応用することで、予期せぬ状況変化にも自律的に対応できるソリューション開発を進める。
■約1万社の顧客基盤を活用
AIRoAは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業に採択されるなど実績を持つ。産学連携で次世代ロボットの基盤モデル開発やデータエコシステムの構築を推進する技術コミュニティ。
SCSKは同協会への参画により、フィジカルAIに関する最新技術動向や基盤モデル、データエコシステムの知見を獲得。約1万社の顧客基盤を活かし、より多くの現場へのロボット普及・社会実装に取り組む方針。
今後数年以内にロボットの日常利用拡大が想定される中、同社は人と共存するロボットの社会実装を目指す。製造ラインで人と協働するAIロボットの開発など、顧客の現場で求められる実用性の検証を推進するほか、ロボットを一元管理・運用できるプラットフォーム開発にも取り組む計画。
VLM(視覚言語モデル)などのAIモデル開発により、安心・安全なロボット利活用を実現し、労働人口減少や人手不足といった社会課題の解決に貢献する。