日本フルードパワー工業会(JFPA)、2026年 年始会を開催

日本の油圧機器、空気圧機器、水圧機器の業界団体、日本フルードパワー工業会は1月21日、東京都内のホテルで「2026年 年始会」を開催した。主催者を代表して同工業会の川瀬正裕会長(カヤバ社長)が新年の挨拶、また多数の来賓を代表して経済産業省製造産業局産業機械課長の須賀千鶴氏がそれぞれ概ね以下のとおり挨拶したでの紹介する。

■川瀬正裕 会長の挨拶

本日は日本フルードパワー工業会の年始会にご参集いただき、誠にありがとうございます。僭越ではございますが、新年のご挨拶を申し上げます。

まず初めに、謹んで新年のご祝意を申し上げます。会員の皆様におかれましては、日頃より当工業会の諸活動に多大なるご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

さて、我が国の経済情勢を見ますと、昨年末に政権交代が行われ、総合経済対策として18.3兆円規模の施策が打ち出されるなど、国内経済は緩やかな回復基調を示しております。一方で、世界に目を向けますと、政治・経済の不確実性は一段と高まっていると感じております。

米国ではトランプ政権の第2次政権が発足し、東アジア諸国の政治的混迷、さらにはロシア・ウクライナ情勢の長期化など、国際社会は大きな転換期を迎えております。こうした環境下において、日本の製造業には、効率化投資、デジタル化、脱炭素化、そしてサプライチェーンの強靱化に向けた取り組みが一層求められています。

当工業会、そしてフルードパワー業界におきましても、これらの課題に正面から取り組んでいるところであります。ここで、業界の足元の状況について簡単に触れたいと思います。

やや古いデータではありますが、2024年の実績では、油圧機器の出荷高が約3,563億円、空気圧機器が約5,190億円、合計で8,753億円となり、2023年度比で5.9%減となりました。しかし、2025年度10月時点のデータでは、油圧機器が前年度比1.9%増、空気圧機器が同3.1%増 「増、増」となり、厳しい環境の中でも回復の兆しが見え始めております。こうした流れを受け、2026年は景気反転の年になることを期待しております。

このような状況を踏まえ、工業会としては、若手技術者の育成を通じて次世代の産業競争力を確保するとともに、ISOをはじめとする国際会議を活用し、日本の技術の国際標準化、ひいては国際競争力の強化に引き続き取り組んでまいります。

本年は午年にあたります。飛躍と躍動を象徴するその精神を胸に、国際交流では駿馬のごとく力強く世界へ踏み出し、標準化活動では着実に歩みを進め、人材育成では未来へと走り出す若い力を育み、環境対応では持続可能な社会の実現に向けて駆け抜ける一年にしたいと考えております。

また、来年に控える「IFPEX 2027」(油圧空気圧国際見本市)に向け、本年2026年は準備の要となる極めて重要な年です。我が国フルードパワー産業の総力を結集し、会員の皆様のお力をお借りしながら、世界に誇る技術とその成果を発信する舞台を整えてまいりたいと考えております。

結びに、会員各位のご健勝とご発展、そして我が国フルードパワー産業のさらなる飛躍を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。

■須賀千鶴 産業機械課長 

新年あけましておめでとうございます。本日は、日本フルードパワー工業会の年始会にお招きいただき、誠にありがとうございます。

昨年を振り返りますと、日本経済には安定の兆しが見え始めた一年であったと感じております。一方で、米中間のさまざまな措置が相次いで打ち出されるなど、目まぐるしく変化する地政学的環境の中で、日本の産業界は一丸となって国際情勢の荒波を乗り越え、経済の持ち直しを果たした一年でもありました。

年明けは穏やかな幕開けとなりましたが、早くも海外情勢を巡るニュースが相次ぎ、中国による新たな輸出管理措置など、今年も予断を許さない状況が続くことを実感しております。こうした中、地政学リスクへの対応を巡って、官民の距離はかつてないほど近づいていると感じております。互いにアンテナに引っかかった情報を共有し、「何が起こり得るのか」「どのような備えが必要か」を議論することは、極めて重要です。本年も皆様と密に情報交換を行いながら、力を合わせてこの一年を乗り切っていきたいと考えております。

政府の成長戦略の柱は「危機管理投資」です。AI、半導体、量子、バイオ、航空宇宙、エネルギー、GXなど17の戦略分野を指定し、今後それぞれについて工程表を示していく予定です。根底にあるのは「責任ある積極財政」という考え方であり、これまで民間領域とされてきた分野にも踏み込み、必要な支援は大胆に講じていく方針です。

設備投資支援についても、即時償却をはじめとする新たな税制措置や、大型補助金の活用が進められます。ぜひこうした支援策を有効にご活用いただき、日本経済を牽引していただければと存じます。

ビッグデータやAIの時代においては、機械が自律的にデータを収集・学習し、人手不足に悩む現場を支えることへの期待が、日本全国で切実に高まっています。海外では自動化への不安から反発が生じる例もありますが、日本ではAIや自動化、省力化に対する期待は極めて大きいものがあります。皆様の新しい製品が、日本を新たな時代へと導く原動力となるよう、政府としても可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えております。

フルードパワー機器は、自動車、航空機、建設機械、ロボット、さらには建築物に至るまで幅広く活用され、現代の産業と暮らしを支える極めて重要な基盤技術です。GXの進展に伴う省エネルギー化や、IoT・AIを活用した省人化など、フルードパワー業界には継続的なイノベーションが強く期待されています。経済産業省としても、設備投資支援などを通じて、皆様の挑戦をしっかりと後押ししてまいります。

本年も政府一丸となってスピード感をもって政策を進めてまいります。皆様にも人材と設備を存分に活用いただき、この一年を力強く駆け抜けていただければ幸いです。

フルードパワー業界の皆様のさらなるご発展とご活躍を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

以上