Construction Briefing:2025年12月3日
ドイツの建設機械メーカー ワッカー・ノイソン(Wacker Neuson) は、韓国の 斗山ボブキャット(Doosan Bobcat) による公開買収をめぐり、取締役会が「先進的な協議」を行っていることを確認した。
同社が発表したプレスリリースによれば、「斗山ボブキャットは、ワッカー・ノイソンの主要株主から約63%の株式を取得し、残りの株主に対して現金による公開買付を行うことを検討している」としている。
ただしワッカー側は、主要株主による株式売却や公開買付が実際に行われるかどうかは予測できないとし、今後の進展については法令に従い資本市場および一般に通知するとしている。
国際建設誌「Yellow Table」による世界建設機械メーカー売上ランキングでは、斗山ボブキャットが 11位、ワッカー・ノイソンが 26位 に位置している。
今回の取引が成立すれば、斗山ボブキャットの欧州市場での地位強化につながる見通しだ。
調査会社 オフ・ハイウェイ・リサーチ (Off-Highway Research)のマネージングディレクター、クリス・スレイト(Chris Sleight )氏は次のようにコメントしている。
「ボブキャットとワッカー・ノイソンの統合は、独占禁止法の観点からも概ね容認されると考えられる。統合後の市場シェアは30%未満であり、支配的地位が懸念される一般的な閾値を下回る。対象製品はミニショベルや小型ホイールローダーなどだ。」
さらに同氏は、地域によってはボブキャットがスキッドステアローダーで既に30%超のシェアを持つが、ワッカー・ノイソンの追加によって現状が大きく変わることはないと指摘した。
スレイト氏はまた、両社が小型機械の専門メーカーであり、製品ラインアップに重複があるほか、多くの市場で存在感を示している点が、今後の製品戦略や販売網において重要になると付け加えた。