中联重科(Zoomlion)、国家「パイロット級」スマート工場に選定

・建設機械業界で新たな製造パラダイムを確立

中联重科股份有限公司(Zoomlion Heavy Industry Science & Technology、本社:湖南省長沙市):2025年11月27日

中国の建設機械大手、中联重科(Zoomlion)は11月27日、2025年世界インテリジェント製造会議において、工業情報化部など5部門が主導する国家「パイロット級」スマート工場育成リストの第一陣に選定されたと発表した。同社は湖南省で唯一選ばれた企業となる。

今回のパイロット級認定は、中国のインテリジェント製造における階層的育成システムの頂点に位置付けられ、国内外で最高水準の製造モデルを探求する企業として国が認める最高レベルの評価となる。全国でわずか15社のみが選定された。

■「多品種少量生産」の世界的課題を克服

中联重科は、重機業界における世界的難題とされる「多品種少量生産」の課題を克服。建設機械向けとしては世界唯一となる協働・共有型スマート工場群を構築し、業界に新たな製造パラダイムを示した。

同社の油圧ショベル共有製造スマート工場は、中联重科スマート産業城内に位置し、「共有」をコアコンセプトとする。この工場は、油圧ショベルの6つの主要製造工程全体でインテリジェント製造を実現した世界初の事例であり、70機種以上の油圧ショベルの効率的な混流生産を可能にした。さらに、油圧ショベル、クレーン、ポンプ車、高所作業車といった異なるカテゴリー間での協働共有も実現し、建設機械における新たな「1対3」共有製造モデルを確立した。

■グローバル最高水準の製造効率を達成

同スマート工場では、AI技術の適用率が80%を超え、生産リソースの自己組織化と自己最適化を実現。段取り替え時間ゼロで、鋼材の切断から完成品の出荷まで平均6.5日、平均6分に1台のペースで油圧ショベルが生産ラインから送り出される。生産タクトタイム、段取り替え時間、製造サイクルの3つの主要指標は、いずれも世界の建設機械分野で最短を記録している。

横方向では建設機械の4大カテゴリーをカバーし、縦方向では数百の工程を統合。3つの主要共通製造センターにより、複数工場間での工程共有を実現し、鋼材利用率90%超、スマート工場建設コスト15%削減を達成した。また、「保管ではなく輸送」という考え方に基づく全工程重荷重自動物流システムにより、工程内構造部品の在庫を70%削減している。

■「見込み生産」から「受注生産」へ転換

従来の見込み生産から受注生産へのビジネスモデル転換により、顧客の個別ニーズに応じたカスタマイズ生産を実現。生産と販売の乖離や在庫過多といった従来の課題を根本的に解決し、完成品および仕掛品在庫を大幅に削減した。

現在、同工場のインテリジェント製造ソリューションは、世界20カ所以上のスマート工場に展開され、グローバルサプライチェーンの川上・川下における協働イノベーションを牽引。農業機械、緊急装備、エネルギー機器など、分野・地域を超えた数百社の企業に対し、技術支援を提供している。
中联重科は今後、次世代AI技術とロボット工学をインテリジェント製造プロセス全体に深く統合し、産業現場における知能ロボットの実用化を探求。業界共通技術のブレークスルー、プロセス革新、設備アップグレードを継続的に推進し、未来の製造モデルを追求していく方針。

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