北芝電機(福島県福島市)は11月19日、本社工場において、環境対応型の菜種油変圧器の生産能力を2027年度までに2024年度比で1.5倍以上に増強すると発表した。設備投資により製造ラインと試験ラインを強化し、変圧器需要の急増に対応する。
再生可能エネルギー導入拡大やデータセンター新設などにより、国内では電力需要が高まっている。変圧器は送電・配電インフラの基幹機器であり、需要の増勢は続く見通し。同社はこれに対応するため、2025年度から設備を順次発注し、2027年度に増産体制を確立する計画。
今回増強する主力製品は、同社が展開するカーボンニュートラル対応の菜種油変圧器。同製品は環境適合性と安全性、性能を備え市場で高い評価を獲得しており、受注も堅調。同社は今回の投資を通じ国内シェア拡大を図り、脱炭素化に寄与する「環境型変圧器供給の中核メーカー」化を狙う。
また、増産に伴う人材増強も計画しており、地域雇用の拡大と生産基盤の強化を進める。同社は「安全と品質を基本に、業務プロセス改革と人材育成を推進する」方針を掲げ、2030年度までに売上を2024年度比で2倍以上とする中期成長目標も示している。
■社長コメント
安藤秀泰社長は「変圧器市場は過去に例のない需要増に直面している」とコメント。「特に菜種油変圧器は環境性能と高性能の両立で市場評価を高めている。当社は増産体制構築を通じ、需要対応、供給責任、地域雇用創出の三位一体で持続可能な社会への貢献を加速する」と述べた。
<プロジェクト概要>
項目:菜種油変圧器生産能力増強
内容:本社工場の製造ラインおよび試験ライン増強
目的:変圧器需要増加への対応、環境型製品供給の強化
投資開始:2025年度より順次発注
増産達成予定:2027年度
生産規模:2024年度比1.5倍以上
同社は今後も環境対応型製品の開発・供給を進め、SDGs実現と電力インフラ高度化に向けた取り組みを継続していく構え。
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